【プラトンの『パイドン』とは】要約・学術的議論をわかりやすく解説
【プラトンの『パイドン』とは】要約・学術的議論をわかりやすく解説

【プラトンの『パイドン』とは】要約・学術的議論をわかりやすく解説

プラトンの『パイドン』とは、ソクラテスが最期を迎えるという劇的な場面設定において魂の不死を哲学的に論じた書物です。この記事ではプラトンの『パイドン』の内容を要約するだけでなく、解釈の学術的議論をわかりやすく解説しています。

これは古くはニーチェ(『悦ばしき知識』)も採用していた伝統的な解釈で、現世における 生からの解放に対してソクラテスが感謝を述べている と考えるものです。この解釈の強力な論者アレクサンダー・ネハマスは次のように述べています 23 Alexander Nehamas, The Art of Living: Socratic Reflections from Plato to Foucault, University of California Press, p. 161 。

たとえば、ある研究者は、ソクラテスはこの言葉を言った時点ではまだ生きていて身体から完全には解放されていないのだから、この時点で神様に感謝することについて疑問を呈しています 24 Glenn W. Most, “‘A Cock for Asclepius’,” The Classical Quarterly, Vol. 43, No. 1, pp. 96–111 。

3-2:「言論嫌い」(ミソロゴス)からの癒しへの感謝

これは現代フランスの哲学者ミシェル・フーコー(『真理の勇気』)が採用していた解釈で、プラトンが自らの対話編で描いているような言葉による 哲学的な探求を通じた問題解決を肯定的に評価するもの でもあります。

『パイドン』ではそうした問題解決の方法を全く信頼しない人々が「言論嫌い」と呼ばれていました 25 納富信留『プラトンとの哲学 対話篇をよむ』(岩波書店)、81–84頁 。

この解釈を採用する現代の研究者ジョージ・ルードブッシュは、以下のように述べて、こうしたミソロゴスからの脱却が最後の言葉でも意味されていると考えます 26 George Rudebusch, Socrates, Wiley-Blackwell, p. 198 。

他方で、納富信留はこの解釈について共感を示しています 28 納富「解説」『パイドン』納富訳、317–319頁 。この解釈が万能でないのはたしかですが、それでも伝統的な解釈とは異なり、必ずしも現世を否定的に捉えることなしに『パイドン』で語られる哲学者のあり方や魂の不死を解釈できる点が魅力的かもしれません。

4章:プラトンの『パイドン』に関するおすすめ本

神崎繁『魂(アニマ)への態度――古代から現代まで』(岩波書店)

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オスカー・クルマン『霊魂の不滅か死者の復活か――新約聖書の証言から』(日本キリスト教団出版局)

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まとめ

  • プラトンの『パイドン』とは、ソクラテスが最期を迎えるという劇的な場面設定において魂の不死を哲学的に論じた書物である
  • 『パイドン』には、「私」とは何かということを出発点にして人間とは何かについて考えるヒントがある
  • ソクラテスの最後の言葉として、語られている内容に関して解釈がわかれている

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