展覧会の絵 (ムソルグスキー)
展覧会の絵 (ムソルグスキー)

展覧会の絵 (ムソルグスキー)

モデスト・ムソルグスキー(Modest Mussorgsky, 1839~1881)の組曲『展覧会の絵』(Pictures at an Exhibition)は、ラヴェルによってオーケストラ版に編曲されました。このページ …

遅めのテンポでカラヤンの円熟を感じますが、1960年代の旧盤に比べて響きが洗練されていて、かつダイナミックさが必要な個所ではベルリン・フィルは凄いスケールで盛り上がります。テンポの遅い演奏ですが、一通り聴いてみて飽きる部分はありません。少しほの暗さがあり、味わいがあるのは旧盤からの特徴ですが、重厚さや力強さは旧盤のほうがありますけど、 演奏の完成度がとにかく高くてミスの一つもありません。透明感すら感じられます。

表現の仕方も円熟していますね。例えば 「卵の殻をつけたひよこのバレエ」は力が抜けていて小気味よい演奏 です。 「ザムエル・ゴールデンベルグとシュムイレ」の弦楽セクションなどは、厚みもあって神々しさすら感じられます「バーバ・ヤガー」はティンパニやパーカッションを鳴らしてダイナミックです。しかし、決して音が濁ることはありません。綺麗さを優先して迫力を抑えている訳ではなく、聴いていて不満はないです。最後の 「キエフの大門」はダイナミックで圧倒的なスケール です。

カラヤン=ベルリン・フィルのCDの中でもトップクラスの凄さですね。カラヤン=ベルリン・フィルがずっと演奏してきて辿り着いた境地が録音されています。完成度という意味では、これを超えるCDは今後もう出てこないんじゃないか、と思える位です。

ロト=レ・シエクル (2019年)

指揮 フランソワ=グザヴィエ・ロト 演奏 レ・シエクル

ゲルギエフ=ウィーン・フィル (2000年) ウィーン・フィルからスラヴ的な響きを引き出した名盤

指揮 ワレリー・ゲルギエフ 演奏 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ゲルギエフ=ウィーン・フィルの演奏は、現在のスタンダードと言える演奏です。これまで「展覧会の絵」は金管楽器が活躍する曲で、ヴィルトゥーゾ系の組み合わせが定番でした。今でも人気はありますが、ショルティ=シカゴ交響楽団のような組み合わせです。しかし、やはりムソルグスキーはラヴェルの編曲を経てもなお、ロシア的、民族的な味のある演奏のほうが良いです。

このCDでの ウィーンフィルは金管楽器もとてもハイレベル な演奏をしていて、ウィーンフィルとは思えない位です。 ウィーン・フィルも意外に民族的(スラヴ的)な響きを出せるオーケストラ です。ゲルギエフは適切なテンポとロシア的な情緒を両方もっていて、ウィーンフィルから最大限のサウンドを引き出してします。

このCDは『展覧会の絵』の定番の演奏として、しばらく君臨しそうな演奏ですね。

ジュリーニ=ベルリン・フィル (1977年) 味わい深くしなやかな名盤、ベルリン・フィルのコクのある響き

指揮 カルロ・マリア・ジュリーニ 演奏 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ジュリーニとベルリン・フィルのライヴ録音です。 ジュリーニの遅めのテンポでとても味わい深い名演 です。ベルリン・フィルも重厚でほの暗さのある演奏を繰り広げています。録音はアナログ末期で、ライヴですがしっかりした音質です。

プロムナード遅めのテンポでシャープなトランペット・ソロ で始まります。ベルリン・フィルの演奏は安定しています。カラヤン時代の最盛期ですしね。弦の響きは重厚で厚みがあり、コクがある響きです。

演奏が進むにつれ深みが増していき、さらに味わい深くなっていきます。テンポは遅めですが、そこまで極端に遅い訳では無く、曲によってメリハリがあります。所々、 ベルリン・フィルのソロの技術の素晴らしさ を楽しめます。ライヴでこれだけクオリティの高い演奏を出来るのは本当に凄いですね。

最後の「キエフの大門」は壮大で感動的 でもあります。ここまで味わい深くも集中力を失わず、壮大な建築物を形作って来て、最後の総決算です。ジュリーニの良い所が全て出たような名盤です。

ショルティ=シカゴ交響楽団 管楽器の名人芸、ド迫力のバーバヤガー

指揮 ゲオルグ・ショルティ 演奏 シカゴ交響楽団

ショルティのインテンポでしっかりした指揮と、シカゴ交響楽団の迫力で名盤 です。少なくともゲルギエフ盤がリリースされるまで定番だった演奏です。

まず最初の トランペットソロから安定感が凄いで す。さすが金管のシカゴ交響楽団ですね。 「バーバ・ヤガー」の迫力が素晴らしく 、やはり今でも通用する迫力とクオリティです。ロシア的な味わいはなく、スコアに忠実な演奏です。安易に民族性を求めない所がショルティの誠実な所です。

今でも聴き比べると、ゲルギエフは思ったほど迫力が無いので、迫力やヴィルトゥオーゾを求める人には、ショルティ盤やジュリーニ盤をお薦めします。

レイボヴィッツ=ロイヤル・フィル (1962年) シャープで独特の緊張感とグロテスクさのある名盤

指揮 ルネ・レイボヴィッツ 演奏 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

レイボヴィッツはユダヤ系ポーランド人の作曲家で、新ウィーン楽派の技法を欧州全体に広めた人です。この『展覧会の絵』は、シャープでとてもグロテスクさのある名演です。1962年録音ですが、色彩的な部分も含めて音質は良いです。

トランペットのソロからシャープで速めのテンポです。「小人」ダイナミックで圧倒されます 。これがロイヤルフィルなのか?と思えるダイナミックさです。「古城」は雰囲気が変わりとても味わいのある音楽です。ロイヤルフィルの色彩的な響きが生きています。 細かいアーティキュレーションがついていて、細部へのこだわりはさすが作曲家 です。「ビドロ」はクレッシェンドしてかなりダイナミックになります。「卵の殻をつけたひよこのバレエ」「死せる言葉による死者への呼びかけ」独特の不気味さがあり、味わいもある不思議な雰囲気「バーバ・ヤガー」は迫力と共に独特の不気味さがあります。「キエフの大門」はダイナミックで、テンポが速めなのでシャープさがあり、聴きごたえのある演奏です。

全体的に色彩感と透明感があり、シャープな切れ味です。そして独特の緊張感とグロテスクさがあります。ムソルグスキーらしい音楽になっていると思います。またカップリングの『禿山の一夜』はレイボヴィッツ編曲で怪演として知られています。他では聴けない表現が聴ける面白く貴重な名盤です。

ジュリーニ=シカゴ交響楽団 落ち着いてしっかり歩みを進めるシカゴ響

指揮 カルロ・マリア・ジュリーニ 演奏 シカゴ交響楽団

ジュリーニの1回目の録音です。録音の音質はしっかりしたものです。冒頭はシカゴ交響楽団トランペット・ソロが上手い です。ジュリーニは落ち着いたテンポでしっかり歩みを進めていきます。オーケストラがフォルテの所はダイナミックに鳴らしますが、基本的に味わい深い名演だと思います。 シカゴ交響楽団はもともとスケールの大きなサウンドと少しひんやりした響きを持っているので、『展覧会の絵』には合うんですよね。 「バーバヤガー」のような曲でも遅めのテンポですが、シカゴ交響楽団はダイナミックでスケール大きく演奏していて凄いです。十分迫力あります。「キエフの大門」もスケールが大きいので、本当に大きな建築物を想像してしまいます。

カラヤン=ベルリン・フィル (1965年) 技術だけではなく、独特の味わいのある名盤

指揮 ヘルベルト・フォン・カラヤン 演奏 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

カラヤン、ベルリン・フィルの1960年代の録音です。カラヤンは『展覧会の絵』を得意曲としていて、継続的に演奏しています。ラストコンサートの演目も『展覧会の絵』でした。演奏はベルリン・フィルなので、技術的には文句なく素晴らしいです。1960年代の録音ですが、音質は悪くありません。

カラヤンは『展覧会の絵』について、他の指揮者とは違ったアプローチをしています。ラヴェルの華麗で色彩的なサウンドを前面には出さず、 少しほの暗さがある のです。ドイツ的な響きとも言えますし、録音したイエスキリスト教会の響きにもよくあっていて、味わい深さがあります。ゲルギエフ盤も華麗すぎない演奏ですが、こちらはロシア的な味わいで、少し違う響きです。しいて言えば、テンポは全然違いますがチェリビダッケ盤に近いと思います。

ベルリンフィルの機能的な面も良く出ていて、金管は決めることはきちんと決めていますし、ダイナミックさが必要な個所は重厚さのある演奏になっています。でも、 独特の味わいがあるんですよね。そこがカラヤン盤の良いところ だと思います。

ライナー=シカゴ交響楽団 ダイナミックでソロもすごく上手い、圧倒的な名盤

指揮 フリッツ・ライナー 演奏 シカゴ交響楽団

ライナーと手兵シカゴ交響楽団の演奏です。このコンビは ダイナミックさや金管のソロがある曲はやはり凄い演奏 です。この頃のシカゴ響は、今よりも熱しやすいオーケストラで、スリリングさもあります。音質も良く1959年録音とは思えません

冒頭の トランペットはとても上手い です。弦もシカゴ響らしくスケールが大きくダイナミックです。第1曲「小人」もシャープさのある演奏です。半面、第2曲「古城」はゆっくりしたテンポで味わい深い演奏です。シカゴ響の音色が明るいので、カラヤンスヴェトラーノフのような暗さはありませんが、 メリハリのある表現 です。第3曲「テュイルリーの庭」はシャープです。 第4曲「牛車」聴き物で は遅いテンポですが、 スケール大きく盛り上がります。 ユーフォニアムのソロの音色が良く上手いです。

その後もスコアを中心に情に溺れず、その曲の特徴を活かした演奏が続いていきます。別の絵の表現ですから、作者が同じといえど、それぞれに描写していく中でムソルグスキー自身の心情の変化も描いています。 第10曲「バーバ・ヤガー」はド迫力 です。シカゴ響のスケールの大きなパワーで、冒頭のアクセントも重さが違います。妖怪、というか怪獣が出て来そうです。第10曲「バーバ・ヤガー」はド迫力です。シカゴ響のスケールの大きなパワーで、冒頭のアクセントも重さが違います。妖怪、というか怪獣が出て来そうです。第11曲「キエフの大門」は、 スケールが大きく圧倒的なダイナミックさ です。それでいて細かい所までアンサンブルのクオリティが高く驚かされます。凄いパワーでそのままのスケールで最後まで演奏しきっています。

シノポリ=ニューヨーク・フィル オケの安定感と聴きごたえのあるシャープな表現

指揮 ジュゼッペ・シノポリ 演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック

シノポリとニューヨーク・フィルハーモニックの演奏は、シノポリのイタリア的な快活さがある演奏で、 シャープさがありますトランペットはとても上手く、弦もしっかりまとまったサウンドです。録音は若干ドライですが、なかなか良く、管楽器の音が綺麗に取れています。

また、シノポリの特徴ですけれど、 理知的な要素と感情的な要素が同居 していることです。基本的に複雑なオーケストレーションを明快に整理して、効果的に演奏しています。ですが、後半の暗めのところは寂寥感が強く、味わいもかなり出ています。 キエフの大門はかなり重量級の演奏 です。タイプの違う指揮者とオケの組み合わせですが、それぞれの良さを活かしていると思います。

ゲルギエフ=マリインスキー劇場管 (2014年) 洗練された現代のロシアの響き、ロシア的で味わい深い名盤

指揮 ワレリー・ゲルギエフ 演奏 マリインスキー劇場管弦楽団

ゲルギエフとマリインスキー劇場管弦楽団はロシア的なサウンドを持ち、アンサンブル能力も高く、 個々のソロのレベルも非常に高い です。ゲルギエフの指揮に慣れていて、速いテンポでもきっちりついて行きます。ゲルギエフのテンポ取りはウィーン・フィル盤から大きくは変わっていません。録音の音質も良くロシア的な響きを良くとらえていますマリインスキー劇場管弦楽団はロシア的といっても、昔とは違って演奏のクオリティは非常に高く、品格があります。

冒頭のトランペット・ソロは、 現代のロシアの響き です。とても上手く、ヴィブラートもなく自然ですが、民族的な味はまだまだ健在です。その後の弦も含めて、しっかりした演奏であると共に民族的な響きです。「小人」はほの暗さがあり、ゲルギエフは自然体で指揮していますが、オケは自然にロシア的な響きを紡ぎだしています。 高音質で金管のアンサンブルのクオリティも高い です。「古城」は少し遅めのテンポで、コクのある響きの中、サックスが艶やかなメロディを奏でます。 ロシア的ですが同時に洗練 されています。

「ビドロ」もとてもいい雰囲気で、ユーフォニアムのソロも上手いです。 土の香りのする響きが、ムソルグスキーの音楽に自然にフィット しています。「卵の殻をつけたひよこのバレエ」は一転、 速いテンポでバレエ音楽のような色彩感 に溢れています。同時に土の香りもあって、シカゴ響のネアカな演奏とは違う響きです。「バーバ・ヤガー」は迫力がありますが爆演ではなく、ウィーン・フィルとの録音のほうがテンポが速い位です。 マリインスキー劇場のほうは、味わい深い です。「キエフの大門」はダイナミックですが、それだけではなく色々なことを表現しています。ゲルギエフはこの曲は演奏しつくしたと思うので、円熟した総決算と言っていい演奏でもあります。

ゲルギエフ=ウィーンフィルの演奏を聴いて、もっとロシア的な演奏を望むなら、マリインスキー劇場管弦楽団がいいかも知れません。ウィーンフィル、マリインスキー劇場管弦楽団はいずれもクオリティは十分なので、あとは好みの問題ですね。

パーヴォ・ヤルヴィ=NHK交響楽団 NHK交響楽団の実力を引き出す、しなやかな名演

指揮 パーヴォ・ヤルヴィ 演奏 NHK交響楽団

パーヴォ・ヤルヴィ=NHK交響楽団がメジャーレーベルであるRCAに録音したディスクです。2016年のライヴ録音です。NHK響の「展覧会の絵」といえば、冒頭のトランペットがどうしても上手くいかない印象がありますね。それもライヴではなおさらです。マルケヴィッチとの演奏でも惜しいですが外してます。名指揮者との演奏ですから相当なプレッシャーですよね。また、どちらかというとロシア的なダイナミックな演奏が多かったように思います。もともとN響はマッシブ(筋肉質)な響きを特徴としていて、世界の他のオケにはない独自のサウンドを持っています。マタチッチはこの響きを気に入っていたようです。

この新しいパーヴォ・ヤルヴィとの演奏は、これまでと大分雰囲気が違うようです。筋肉質で、少し荒さもあったN響ですが、 ヤルヴィとのディスクでは、非常にしなやかなで余裕のある演奏をしている所が特徴的 です。もちろん最初のトランペットも安定しています。大指揮者が来ると入魂の演奏で力みが出たりするN響ですが、P.ヤルヴィはそういう所が出ないように、余裕をもってしなやかに演奏させ、そのため細部がきめ細かく色彩的な演奏となっているのです。

チェリビダッケ=ミュンヘン・フィル (1993年) ゆっくりなテンポ、ほの暗く味わい深い名演

指揮 セルジュ・チェリビダッケ 演奏 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

テンポが遅い、といえばチェリビダッケですが、半端は遅さではありません。昔、映像で見たときはここまで遅い感じはしなかったのですが、慣れですかね。 慣れてくると、とても丁寧に演奏しているので、良い所が見えてきます。 こういう演奏で時間を気にせず、まったり聴いていくのもいいと思います。

それに チェリビダッケは『展覧会の絵』との相性が良い ようで、とても味わい深く聴かせてくれます。ほの暗く味わい深い名演で、ラヴェルの色彩的な編曲が地味に聴こえてくるので不思議です。ラヴェルの色彩的なオーケストレーションは生きていますが、違う色の色彩になっている感じです。サックスのソロなどもな、なんとも言えない味があります。 「ビドロ(牛車)」、「カタコンベ」なども名演 です。ミュンヘン・フィルですから、 金管楽器もかなりパワフル です。「バーバヤガー」もテンポが遅いからと言って迫力不足なんて感じません。最後まで聴いてくると本当に感動します。

チェリビダッケ=RAI放送交響楽団 (1959年) チェリビダッケが若いころのテンポ速めのライヴ

指揮 セルジュ・チェリビダッケ 演奏 RAI放送交響楽団

チェリビダッケとRAI放送交響楽団の演奏です。1959年のトリノでのライヴで音質は若干ドライです。 若いチェリビダッケの熱気と奥深さを感じる演奏 です。RAI放送交響楽団のレヴェルは、特に高いとは言えませんが、イタリアのオケの中ではしっかりした演奏といえます。後年のミュンヘン・フィルとの名盤と比べて、良いとか悪いとかよりは、チェリビダッケの演奏をもっと色々聴きたい人にお薦めです。

冒頭のトランペット・ソロは技術的には当時のスタンダードかなと思います。オケ全体としてはイタリアらしい感じですが、 フォルテの個所ではラテン系の熱気 を感じます。「小人」に入る前に、G.P.(ゲネラルパウゼ:全休止)というより、一休みしています。そして、ゆっくりしたテンポで演奏しています。意外な所でG.P.が入っています。第2プロムナードは落ち着いていて、この頃からテンポが遅めだったんだなぁと感じます。曲間を少し長く開け、 1曲1曲じっくり聴かせてくれる のは、後年のミュンヘン・フィル盤と同じですね。「古城」のサックスソロは味わいがあります。「テュイルリーの庭」は遅めのテンポでメリハリがありながらも、 この辺りからチェリビダッケの術中にハマっていきます「ビドロ」ユーフォニアムソロは意外と上手いです。盛り上がってくるとオケ全体が熱気に満たさます

「ザムエル・ゴールデンベルグとシュムイレ」は、 弦が熱く盛り上がりラテン系であると共にグロテスクさもあります。「リモージュの市場」速いテンポで活気 があります。カタコンブは熱気とテンポの遅さで とてもスケールが大きい です。「死せる言葉による死者への呼びかけ」は深く沈みこんでいきます。「バーバ・ヤガー」は遅めのテンポながら、ダイナミックな熱気が凄いです。「キエフの大門」はとてもダイナミックです。オケがちょっと粗いですが、 当時のイタリアのオケのラテン系な熱気 が聴けます。パーカッションはとてもシャープで荒々しさがあります。ラストは盛り上がりますが、テンポが遅いままクレッシェンドしていき、 とてもスケールが大きなしめくくり です。

スヴェトラーノフ=ロシア国立管弦楽団 スヴェトラーノフ節全開の濃厚な爆演

指揮 エフゲニー・スヴェトラーノフ 演奏 ロシア国立管弦楽団

スヴェトラーノフ=ロシア国立管弦楽団『展覧会の絵』非常にロシア的な名演 です。もうこんな濃厚な演奏は聴けないでしょうね。『禿山の一夜』も壮絶な演奏です。

スヴェトラーノフらしいロシア的で濃厚な表現は素晴らしいです 。少し暗さのある表現が『展覧会の絵』の曲の雰囲気によくあっていて味わいがあります。テンポ取りは自由自在ですが、遅めのテンポの 静かな曲にも味わいがあって聴きごたえがあります 。そして、当時のソヴィエト国立管弦楽団は世界でもトップレヴェルのオケであり、弦楽セクションの厚さといい、金管のパワーといい、西欧のトップオケを超えている部分も多いです。

ずっと廃盤なので中古で入手するか、アマゾンミュージックUnlimitedMP3ダウンロードがいいと思います。。MP3も十分な音質で、下手に中古を買って音飛びがあったりするよりはいいかも知れませんので。

ピアノ版のおすすめの名盤

ムソルグスキー『展覧会の絵』ピアノ版の名盤をレビューしていきます。オーケストラ版が好きな方もピアノ版を一つ聴いてみることをお薦めします。ムソルグスキーの意図が良く伝わってきますので、『展覧会の絵』への理解が深まると思います。

ピアノ:エフゲニー・キーシン 思い切ったシャープな表現、キーシン屈指の名盤

エフゲニー・キーシンのピアノによる録音です。 『展覧会の絵』ピアノ版の第一に挙げられる名盤 です。 2001年の録音ですが、残響も丁度良く、とても高音質 です。

プロムナードは速めのテンポでシャープさと落ち着きを持って弾かれています。「1. 小人」はシャープでダイナミックです。 非常に表情豊かでピアノ版でも色彩感がダイレクトに 伝わってきます。プロムナードは落ち着いた端正さのある演奏です。「2. 古城」はじっくりと味わい深く聴かせてくれます。装飾の付け方もとても自然で、 単にメリハリのある演奏ということはなく、その曲の特徴を良く引き出しています「4.ビドロ(牛車)」は牛車の重々しさが良く伝わってきます。ダイナミックかつ情緒があります。キーシンの表現は繊細で奥が深いです。楽譜を読み込んで、少しの和声の変化、 どの音符も逃さず表現しきっているので、新しい発見に満ちています

「5.卵の殻をつけたひよこのバレエ」は速いテンポでスリリングです。細かい表情が付けられていて、中間部はよくそんな音色が出せるなぁ、と感心です。音色に心地よいひんやりとした感じがあって、ムソルグスキーらしいです。

「9.死せる言葉による死者への呼びかけ」驚きの色彩感で、ピアノという楽器の可能性を最大限 引き出しています。この雰囲気は逆にピアノでしか出せないと思います。「10.バーバ・ヤガー」はシャープに始まり、スケール大きくダイナミックに盛り上がります。弱音の部分も色彩感があり、味わい深く、さらにインスピレーション溢れる表現に圧倒されます。「11.キエフの大門」テンポを遅くしすぎず、オーケストラのようにダイナミック に盛り上がります。弱音になると情緒に溢れています。華麗さと色彩感を伴って盛り上がり、ラストはスケールが大きくダイナミックです。

普段はオーケストラ版の方を良く聴く管理人ですが、キーシン盤はピアノ版の良さが力強く表現されていて、とても楽しめます。ピアノのみで、ここまで色々な表現が出来るんだな、と目から鱗が落ちる思いです。初めてピアノ版を聴く方の最初の一枚にも超お薦めの名盤です。カップリングのグリンカ『ひばり』も鮮やかで味わい深い名演です。

ピアノ:高橋多佳子 『展覧会の絵』への理解が深く確信に満ちた名盤

ピアノの高橋多佳子の録音は、新しい録音であることもあって、色彩感が前面に出た演奏です。基本的に理知的なので、気まぐれなのではなく、きちんと楽譜を読みこんで研究した成果なのだと思います。 音質は良くピアノの音色をしっかり収録 しています。

プロムナードはとても端正な演奏です。「1. 小人」シャープに始まり、弱音の部分は奥深さと味わい があります。ダイナミクスも良く収録されていて迫力があります。「2. 古城」はほの暗さのある表現で、 ピアノのタッチが繊細 と感じます。「4.牛車」は最初からダイナミックです。 楽譜に対して誠実 なので、ラヴェルの編曲が単なるオーケストレーションではないことも分かりますね。

プロムナード4になると、ほの暗さがあり、味わい深いです。 弱音部分も味わい深さもこの演奏の美点 と思います。「5.卵の殻をつけたひよこのバレエ」は速いテンポで軽妙で色彩感に溢れた演奏です。「6.ザムエル・ゴールデンベルグとシュムイレ」ダイナミックでスケールが大きい です。メリハリ・色彩感がありますが、表現は自然体で体になじんでいる感じです。

「8.カタコンベ」「9.死せる言葉による死者への呼びかけ」は遅めのテンポで味わい深く、 ムソルグスキーの友人に対する気持ちが伝わってくるようです「キエフの大門」少し速めのテンポで、スケールの大きな演奏 です。弱音部分の寂寥感のある味わい深さです。そして色彩的に盛り上がっていきます。 ラストは非常にスケール大きく、テンポ取りも絶妙 です。

楽譜をしっかり読み込んで確信に満ちた表現していて、聴いていて充実感のある一枚です。あまりケレン味が無い所も良く、とても自然に聴けますし、ムソルグスキーの原曲をしっかり再現しています。

ピアノ:アシュケナージ 昔からのスタンダード、ロシア的な名盤

定番のアシュケナージの演奏です。アシュケナージは 少しロシア的でロマンティックで味わい深い演奏 ですね。迫力やスケールの大きさは、さすがヴィルトゥーゾという感じです。 演奏も音質の安定感も1967年の録音とは思えません が、技術の改善で音質が向上してきた分、さらに良さがわかる演奏です。

プロムナード速めのテンポで、オーケストラのようなスケール感、迫力 があります。そして間をあけずに1. 小人に入っていきます。鋭さとダイナミックさがあります。「3.テュイルリーの庭」では、 速いてんぽで軽妙 です。タッチがしっかりしていて強弱も良くついています。「4.牛車」はなかなかダイナミックで、強いアクセントが印象的です。「5.卵の殻をつけたひよこのバレエ」は超絶技巧に舌を巻きます。

「8.カタコンベ」はかなり遅く、非常にダイナミックです。ピアノだと長い音が減衰してしまいますが、それでも音楽的に聴けるのはアシュケナージのダイナミックで確実な打鍵のおかげ、と思います。「9.死せる言葉による死者への呼びかけ」も迫力があります。

「10.バーバ・ヤガー」などはとてもダイナミックで迫力があります。「キエフの大門」もテンポが遅めでスケールが大きく、弱音になるとロシア的な情緒があり、土の香りも感じられます。基本的にはロシア的な粗野なダイナミックさではなく、しっかりした演奏であって、雑な所はありません。 ラストは凄いスケールの大きさ です。

この演奏はオーケストラ版があることを前提にしたもののように聴こえます。 スタンダードと言うに相応しく、品格もあり丁寧さのある名盤 です。ディスクにはアシュケナージ編曲のオーケストラ版、アシュケナージのピアノ版の2つが収録されています。

ピアノ:辻井伸行 想像力豊かで力強い『展覧会の絵』

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ヤンソンス=バイエルン放送交響楽団

指揮 マリス・ヤンソンス 演奏 バイエルン放送交響楽団

ジュリーニ=フィルハーモニア管弦楽団

指揮 カルロ・マリア・ジュリーニ 演奏 フィルハーモニア管弦楽団

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