Sideswipe
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これは 人工知能アドベントカレンダー の4日目の記事です。大脳は、大脳半球(cerebral hemisphere) という左右2つの部位に分かれています。いわゆる右脳と左脳というものにあたります。 両者は完全に分離しているわけではなく、脳梁(corpus callosum, CC) によって接続されており、相互に情報のやり取りをしています。 それぞれの大脳半球は、大脳皮質(cerebral cortex)が表面を覆っており、その内部には大脳基底核(cerebral basal ganglia)が収まっています。大脳皮質はさらに以下の3つにわけることができます。 新皮質(cerebral ne…

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大脳新皮質

これは 人工知能アドベントカレンダー の4日目の記事です。大脳は、大脳半球(cerebral hemisphere) という左右2つの部位に分かれています。いわゆる右脳と左脳というものにあたります。 両者は完全に分離しているわけではなく、脳梁(corpus callosum, CC) によって接続されており、相互に情報のやり取りをしています。 それぞれの大脳半球は、大脳皮質(cerebral cortex)が表面を覆っており、その内部には大脳基底核(cerebral basal ganglia)が収まっています。大脳皮質はさらに以下の3つにわけることができます。 新皮質(cerebral ne…

大脳は、大脳半球(cerebral hemisphere) という左右2つの部位に分かれています。いわゆる右脳と左脳というものにあたります。 両者は完全に分離しているわけではなく、脳梁(corpus callosum, CC) によって接続されており、相互に情報のやり取りをしています。 それぞれの大脳半球は、大脳皮質(cerebral cortex)が表面を覆っており、その内部には大脳基底核(cerebral basal ganglia)が収まっています。

  • 新皮質(cerebral neocortex) 大脳の表面にある6層構造を持つ薄いシート状の皮質で、あとで詳しく述べる
  • 古皮質(paleocortex) 梨状前皮質など。霊長類では退化してあまり見られない。
  • 原皮質(arichicotex) 海馬体などを構成する。
概要 大脳の外観 回と溝 葉
  • 前頭葉 (frontal lobe)
  • 頭頂葉 (parietal lobe)
  • 側頭葉 (temporal lobe)
  • 後頭葉 (occipital lobe)
極 脳の機能局在

ここから、さらに機能的、解剖学的に細かく脳の領域を分類していった「ブロードマンの脳地図」があります。 これは、ドイツのコルビニアン・ブロードマン(Korbinian Brodmann, 1868〜1918) が細胞染色をして、似た構造の部分をひとまとまりとして、52の領野に区切ったものです。

Korbinian Brodmann, 1868〜1918 (Public Domain)

腹側皮質視覚路を示した図。LGNは視床の一部である外側膝状体(Lateral geniculate nucleus)である。V1は単純な線しか認識できないが、TE野では顔や手などの非常に複雑な形状の物が認識できていることがわかっている。このように、段階を踏んで次第に複雑な情報が扱えるようになっているのが視覚に限らず大脳皮質の基本的な仕組みだと考えられている。V4は本来脳の内側にあり、外からではほとんど見えないが、この図ではかなり誇張して描いてある。

局所構造 層構造とコラム
  • Ⅰ 分子層(molecular layer)
  • Ⅱ 外顆粒層(external granular layer)
  • Ⅲ 外錐体細胞層(external pyramidal layer)
  • Ⅳ 内顆粒層(internal granular layer)
  • Ⅴ 内錐体細胞層(internal pyramidal layer)
  • Ⅵ 多型細胞層(polymorphic layer)
コラムの内部構造

I層(分子層)については、ほとんど細胞がなく、樹状突起や軸索が走行しているのみです。 II層(顆粒細胞層)は比較的小型で丸い形をした顆粒細胞(granule cell)と呼ばれる細胞が多く、III層(外錐体細胞層)は三角形のような形をした錐体細胞(cone cell)が多くを占めています(この錐体細胞の授業時突起が伸びていって、I層に広がっている)。 II層とIII層の機能は似ていて、主にIV層から入力を受け取り、他の領野に出力を送っています(投射している、という)。

今ちょうど出てきたIV層はというと、有棘星状細胞(spiny stellate cell)や星状錐体細胞(star pyramid cell)が多く、(大脳皮質のほかの領野からではなく)外部からの入力、主に視床からの入力を受け取っています。そしてII層とIII層へ出力を送り、また同時にわずかではありますがIV層から直接他の領野へも出力を送っています。いわば、ここが大脳新皮質の入力を担当している部分です。

コラムの機能 まとめ

ヒトの知性の源といっても過言ではない、大脳皮質について説明しました。 大脳皮質は他の動物と比較したときにヒトで特別発達している部位であり、であるがゆえにヒトは高度な知性を持っていると考えられています。 大脳皮質はさまざまな機能をもつ多数の領野から構成されていますが、一方で生理学的にはかなりのっぺりとした、どこを見ても同じモジュール(コラム)が続いているという均一な構造をしています。 このことから、大脳皮質はなにか単一の仕組みによって動作していると考えられますが、いまだそのメカニズムについては不明な点が多く、謎の多い部位でもあります。とはいえ、すでに判明していることも多く、またDeep Learningとも関連が深いところもあるので、それは追々触れていくことにしましょう。

*5 : Henry Gray (1918) Anatomy of the Human Body

*7 : Jones EG. Microcolumns in the cerebral cortex. Proc Natl Acad Sci 2000;97(10):5019–21.

*8 : Towards cortex sized artificial neural systems, Christopher Johansson and Anders Lansner, Neural Networks, Vol. 20 #1, pp48–61, Elsevier, January 2007

*10 : A Peters, C Sethares, Myelinated axons and the pyramidal cell modules in monkey primary visual cortex. J. Comp. Neurol.: 1996, 365(2);232-55