辞書式順序とは~わかりやすく解説~
辞書式順序とは~わかりやすく解説~

辞書式順序とは~わかりやすく解説~

辞書式順序とは,順序集合の直積集合に定まる順序の一つで,国語辞書の単語が並ぶ順番と同じようなものです。まず,有限個の直積における辞書式順序の定義・具体例を紹介し,それから,無限個を含む辞書式順序を考えます。最後に,整列集合たちの辞書式順序が整列集合になるか否かを考えましょう。

p_1(B)\subset A_1 は, A_1 が整列集合なので,最小元 m_1\in p_1(B) をもちます。 B_1=\ < (b_1, \ldots, b_n)\in B\mid b_1=m_1\>とすると, \emptyset \ne B_1\subset B です。つづいて, p_2(B_1)\subset A_2 は A_2 が整列集合なので,最小元 m_2\in p_2(B_1) をもちます。 B_2=\ < (b_1, \ldots, b_n)\in B_1 \mid b_2=m_2\>とすると, \emptyset \ne B_2\subset B_1 です。

同じ作業を同様に繰り返すことで, B の最小元 (m_1, \ldots, m_n) が見つかります。これで証明終わりです。要するに,全ての元から1番目の要素が最小のものを全部拾ってきて,拾ってきた中から,2番目の要素が最小のものを全部拾ってきて,拾ってきた中から……をn番目まで繰り返しているわけです。

として,部分集合 B\subset A を,

すなわち a_i=1 となる i\in \mathbb が唯一つしかない (a_i)_i 全体の集合とします。このとき, B は最小元が存在しません。実際,

(1,0,0,\ldots)> (0,1,0,\ldots)> (0,0,1,\ldots)>\cdots

ですね。よって, A は整列集合ではありません。全順序集合ではあります。

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