【梅一輪一輪ほどの暖かさ】俳句の季語や意味・感想・作者など徹底解説!!
【梅一輪一輪ほどの暖かさ】俳句の季語や意味・感想・作者など徹底解説!!

【梅一輪一輪ほどの暖かさ】俳句の季語や意味・感想・作者など徹底解説!!

日本に古くから伝わる文章の一つである俳句。 最近では、授業で習ったり趣味としてよんだりする人も多くなってきました。 そんな数ある俳句の中でもよく耳にするという句。こちらの句はあの有名な松尾芭蕉の

俳句は五七五の17音で構成される詩歌です。 江戸時代から流行が始まり、現在にいたるまで多くの俳句が残されています。 今回は、松尾芭蕉の高弟であり蕉門十哲の一人を30句ご紹介します。 『梅一輪 一輪ほどの 暖かさ』 服部嵐雪 弱音を吐けない時、どうしようもない時、この梅一輪の暖かさに救われて.

季語

この俳句に使われている季語は「梅」。・・・と思われがちですが、 じつはこの句の季語は別にあります。

この句が読まれる前には詞書があり、そこには 「寒梅」という冬の季語 が用いられています。そのため、正確にはこの句の季語は「寒梅」となります。

俳句の意味や解釈

この俳句の意味は、主に 2つの解釈 があります。

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俳句の解釈

  • 「梅が一輪咲いている。それを見ると、一輪ほどのかすかな暖かさが感じられる。」
  • 「梅の花が一輪咲くごとに、少しずつ暖かくなっている。」

前者は 「寒さの中、ほのかな暖かさにじんわりと心がふるえる様子」 、後者は 「聞こえ始めた春の足音に心躍らせる様子」 を詠んでいます。

まず、前者の読み方「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」と【上、中、下】全部に間をつけます。

そして詞書が示されなければ、なおさら春の句なのかなと思い 、 混乱を招くことになってしまった のです。

「梅一輪一輪ほどの暖かさ」の表現技法や感想

初句切れ

句切れとは、 意味やリズムの切れ目のこと です。

この句の場合、初句(五・七・五の最初の五)に、「梅一輪」の名詞で区切ることができるため、 初句切れ の句となります。

「梅一輪」の字余り

この句は 六七五の字余りの句 になっています。

「梅の花 一輪ほどの 暖かさ」と五七五で整えるよりも、 「一輪」がより際立つ結果 になっています。

「一輪」の繰り返し

一度初句の体言止めで切ってから再び「一輪ほどの」と続けることで、 「たった一輪咲いている」という状態が際立ちます。

また、繰り返し言葉のことを畳語(じょうご)とも呼びますが、これは芭蕉の作風である 「かるみ」にも繋がるもの です。

一輪のあとの「ほど」

この「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」という句には、 読み手にしっかりと伝わるように工夫がされています。

例えば中の句である「一輪ほどの」という文章。これは、一輪の後に 「ほど」 とつけています。

①それとほぼ同じ程度

②〜につれて

③時や場所の隔たり

④何かと比較する基準を表す

俳句の意味と見比べると 「梅が一輪咲いている。それを見ると、一輪ほどのかすかな暖かさが感じられる。」は①の意味が当てはまり、「梅の花が一輪咲くごとに、少しずつ暖かくなっている。」は②が当てはまります。

「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」の鑑賞文

寒梅が一輪咲いているのを見つけて、 ほんの少しだけ春が近づいたような暖かさを感じている一句 です。

ところで、前述のとおり、この句は作者である 服部嵐雪の死後に多くの解釈を生んでいます。

原因としては 、嵐雪の一周忌にまとめられた『遠のく』という句集では「寒梅」という前詞がついて冬の俳句とされているのに対して、死後 43 年経った『玄峰集』では春に配置されているためです。

春の句として紹介されている「梅の花」の句ですが、『玄峰集』にはこの句の注意書きとして 「ある句集には冬に配置されていて趣深い」 とあり、この「ある句集」が『遠のく』のことを表しているのでしょう。

「趣深い」と表現されていることから、 42 年前に出た『遠のく』の句集はあまり出回っていなかったのか、 伝聞だけで聞いたような雰囲気を感じる注釈 です。

「梅一輪一輪ほどの暖かさ」の作者・服部嵐雪について

この句をよんだ作者ははじめに書いたとおり、松尾芭蕉の弟子である 服部嵐雪 です。

芭蕉も嵐雪の才能を高く評価しており、3月3日の桃の節句に 「草庵に桃桜あり。門人に其角嵐雪あり」 という俳句をよんでいます。

服部嵐雪のそのほかの俳句

【遠のく】「梅一輪 いちりんほどの 暖かさ」

【時世の句】「一葉散る 咄ひとはちる 風の上」

【萩の露】「名月や 煙はひ行く 水の上」

【続虚栗】「濡縁や 薺こぼるる 土ながら」「木枯らしの 吹き行くうしろ すがた哉」

【虚栗】「我や来ぬ ひと夜よし原 天の川」

【杜撰集】「魂まつり ここがねがひの みやこなり」

【猿蓑】「出替りや 幼ごころに 物あはれ」

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  • 1 「梅一輪一輪ほどの暖かさ」の季語や意味
    • 1.1 季語
    • 1.2 俳句の意味や解釈
    • 2.1 初句切れ
    • 2.2 「梅一輪」の字余り
    • 2.3 「一輪」の繰り返し
    • 2.4 一輪のあとの「ほど」

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