【咳の子のなぞなぞあそびきりもなや】俳句の季語や意味・背景・鑑賞文・作者など徹底解説!!
【咳の子のなぞなぞあそびきりもなや】俳句の季語や意味・背景・鑑賞文・作者など徹底解説!!

【咳の子のなぞなぞあそびきりもなや】俳句の季語や意味・背景・鑑賞文・作者など徹底解説!!

古来より受け継がれてきた伝統文芸の一つである「俳句」。 俳句と聞けば、「松尾芭蕉」「小林一茶」「与謝蕪村」など男性俳人の作品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 古典俳人の多くが男性を占

五・七・五の十七音に四季を織り込み、詠み手の心情や情景を詠みこむ俳句の世界。 文学的な知識がなければ楽しめないと、敬遠する方も多いかもしれませんが決してそうではありません。 家庭俳句の開拓者として知られる中村汀女(なかむらていじょ)は、日常生活を題材にしながら、を多く残しています。 たんぽぽ.

季語

この句に含まれている季語は 「咳」 で、季節は 「冬」 を表します。

このことから、 「風邪」や「くしやみ」なども冬の季語になります。

意味

こちらの句を 現代語訳 すると・・・

「咳をする我が子となぞなぞ遊びをする。やめようと思うが子供にせがまれ、きりがないことだなあ。」

(※きりもなや… きりがないことだなあ ※咳の子・・・咳をする子)

この句が詠まれた背景

この句は大正 7 年~昭和 18 年に製作された句を編集した『汀女句集』に収められています。

汀女句集には、 戦争の緊張感など感じさせない母としての優しさに満ちた穏やかな作品 が並んでいます。

そうした背景もあり、 国家や体制から遠くかけ離れた日常生活に根ざした句 はある程度表現の世界が守られていたのかもしれません。

そんな中、汀女は「それでよし」と毅然に受け止め、 主婦としての日常を詠む姿勢を貫き通しました。

「咳の子のなぞなぞあそびきりもなや」の表現技法

「きりもなや」という表現

これは「なし」と強く言い切ってしまうと、 余韻がなくなってしまうため だと考えられています。

しかし、感嘆助詞で詠嘆を表す「や」に置き換えることで「きりがないなぁ・・・」と 心情の広がりを持たせる効果 があります。

句切れなし

今回の句では最後(下五)の「きりもなや」に、詠嘆を表す「や」がついているので 「句切れなし」 となります。

文末に感動の中心をもってくることで、作者の子への深い愛情が強調されています。

「咳の子のなぞなぞあそびきりもなや」の鑑賞文

この句と同様、 我が子を詠んだ句も多く家族の幸せな姿が目に浮かびます。

現代では子供にテレビや DVD を見させ一人遊びさせることも多くなってきました。母親と子供の日常的なありようも変わりつつある中、普遍的な母親の愛情は今もなお私たちの心を暖かくしてくれます。

「もっと、もっと他のなぞなぞもして」とせがむ様子から、母親に甘えられる至福の時間が詠み込められています。そんな甘えを感じ取ってか、「もうお終い」が言えず遊びに付き合っているところに、 母親の優しさ が伝わります。

作者「中村汀女」の生涯を簡単にご紹介!

中村汀女( 1900 ~ 1988 年)は、「星野立子」「橋本多佳子」「三橋鷹女」とともに「四 T 」と称された、昭和を代表する女流俳人です。

県立高等女学校を卒業して間もない 18 歳の師走の頃、日課の玄関掃除をしていてふと詠んだ句「吾に返り見直す隅に寒菊紅し」が絶賛され、俳句を始めるきっかけとなります。

戦後 1947 年には俳誌『風花』を創刊・主催し、自身においても数々の句集を発表しました。家庭的で生活に密着した叙情的な作品は、多くの女性にとって俳句を親しむきっかけとなります。

後の女流俳人にも大きな影響を与えた汀女ですが、 88 歳の頃、東京女子医科大学病院で心不全によりこの世を去りました。

「咳の子のなぞなぞあそびきりもなや」の補足情報

台所俳句のおすすめ俳句集

台所俳句として揶揄られながら日常に関する俳句を作っていたのは作者だけではありません。

【No.1】橋本多佳子

「白桃に 入れし刃先の 種を割る」

【No.2】橋本多佳子

「母と子の トランプ狐 鳴く夜なり」

暖かな室内でトランプをする親子と、寒い外で鳴く狐を対比させている一句です。遊びにトランプを選択しているのも、 1 人では遊べないおもちゃで孤独と家族を対比させています。

【No.3】細見綾子

「葉桜の 下帰り来て 魚に塩」

【No.4】杉田久女

「新茶汲むや 終りの雫 汲みわけて」

【No.5】星野立子

「美しき 緑走れり 夏料理」

中村汀女のそのほかの俳句

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  • 1 「咳の子のなぞなぞあそびきりもなや」の季語や意味・作者・詠まれた背景
    • 1.1 季語
    • 1.2 意味
    • 1.3 この句が詠まれた背景
    • 2.1 「きりもなや」という表現
    • 2.2 句切れなし
    • 5.1 台所俳句のおすすめ俳句集

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