法人の民事再生にかかる費用|予納金・弁護士費用の相場と支払えない場合の対処法
法人の民事再生にかかる費用|予納金・弁護士費用の相場と支払えない場合の対処法

法人の民事再生にかかる費用|予納金・弁護士費用の相場と支払えない場合の対処法

経営者・財務担当者向けに、法人の民事再生にかかる費用の総額や内訳、負債額に応じた相場、支払えない場合の対処法を解説します。

予納金は原則として一括納付ですが、裁判所によっては 分納 が認められる場合があります。例えば、東京地方裁判所では、申立て時に約6割を納付し、残りを再生手続開始決定後に支払うといった運用がなされています。ただし、これは裁判所の裁量によるため、全てのケースで認められるわけではありません。事前に、管轄裁判所の実務に詳しい弁護士に確認することが不可欠です。分納が認められた場合でも、期限までに全額を納付しなければ手続きが進まないため、計画的な資金準備が求められます。

スポンサーからの資金援助を受けて費用を捻出する

自社だけでは費用を捻出できない場合、事業の再建を支援してくれる「 スポンサー 」を探し、資金援助を受ける方法があります。スポンサーは、会社の事業価値や技術を評価し、再生費用の肩代わりや運転資金の融資を行います。

申立て前の資産売却による費用捻出の注意点

再生費用を確保するために、事業に直接関係のない不動産や在庫、車両などを売却することも有効な手段です。ただし、申立て直前の資産売却には注意が必要です。不当に安い価格で売却したり、特定の関係者に有利な条件で譲渡したりすると、後に再生債務者(または管財人)によってその行為を無効にする「 否認権 」を行使される恐れがあります。最悪の場合、再生手続き自体が認められなくなったり、刑事罰の対象になったりする可能性もあります。資産を売却する際は、必ず弁護士の指導のもと、適正な価格で取引し、その証拠を明確に残しておく必要があります。

費用対効果の判断材料となる民事再生の基礎知識

事業再建を目指す民事再生と清算を前提とする破産との違い 項目 民事再生(再建型) 破産(清算型) 目的 事業を継続し、会社を存続させる 全ての資産を換金・配当し、会社を消滅させる 経営陣 原則として経営を継続できる 総退陣し、経営権を失う 事業 継続できる 停止・廃止される 費用 破産より高額になる傾向がある 民事再生よりは低額な場合が多い 民事再生と破産の主な違い 費用をかけてでも民事再生を選択するメリット 民事再生の主なメリット
  • 事業の継続 : 会社のブランドや看板を維持し、事業活動を続けられる。
  • 雇用の維持 : 従業員の雇用を守り、熟練した人材の流出を防げる。
  • 取引関係の維持 : 長年築き上げた取引先との関係を継続できる可能性がある。
  • 許認可の維持 : 事業に必要な営業許可などを失わずに再建を進められる。
  • 財務体質の改善 : 再生計画によって債務が大幅に圧縮され、健全な経営を目指せる。
手続きに伴うデメリットと事業上のリスク 民事再生の主なデメリット・リスク
  • 信用力の低下 : 「倒産した会社」というイメージが広がり、新規取引や人材採用が困難になる。
  • 経営の自由度の制限 : 監督委員の監督下に置かれ、重要な経営判断に同意が必要になる。
  • 担保権の実行リスク : 担保となっている資産は、担保権者によって別途実行される可能性があるため、注意が必要です。
  • 債務免除益への課税 : 免除された債務が会計上「利益」とみなされ、法人税が課される場合がある。

法人向け民事再生と個人再生の費用比較

手続きの対象と目的の根本的な違い

法人の民事再生は、 会社という事業組織を存続させること を目的とします。一方、個人再生は、住宅ローンなどを抱えた 個人の生活基盤を維持しながら経済的に立ち直ること を目的としています。この目的の違いが、手続きの複雑さや費用に反映されます。

費用の規模感と内訳の比較 項目 法人向け民事再生 個人再生 費用の総額 数百万円~数千万円 40万円~90万円程度 裁判所への予納金 最低200万円~ 数万円~25万円程度 弁護士費用 数百万円~ 30万円~60万円程度 法人再生と個人再生の費用比較

民事再生の費用に関するよくある質問

Q. 民事再生と自己破産では、どちらの費用が高額になりますか?

一般的に、 民事再生の方が自己破産よりも費用は高額 になります。民事再生は事業を継続しながら再生計画を遂行するため、手続きが長期化・複雑化しやすく、監督委員の報酬や弁護士の稼働時間が増えるためです。一方、自己破産は会社の資産を清算して終了するため、比較的短期間で手続きが終わる傾向があります。

Q. 民事再生にかかる費用は、会社の経費として計上できますか?

はい、 原則として経費として計上可能 です。弁護士に支払う報酬は「支払手数料」、裁判所に納める予納金は、その内訳(監督委員報酬、申立手数料、官報公告費など)に応じて「支払手数料」や「租税公課」などの勘定科目で損金として会計処理できます。これにより、再建過程における税務上の負担を適正に管理することが可能です。

Q. 申立て後、従業員の給与は支払われますか?

はい、 支払われます 。従業員の給与(申立て前の未払い分を含む)や退職金は、他の一般債権よりも優先して支払われるべき「財団債権」または「優先的再生債権」として保護されています。申立て後の労働に対する給与も、会社の事業経費として通常通り支払うことができます。

Q. 途中で民事再生を断念した場合、支払った弁護士費用は戻ってきますか?

弁護士に支払った 着手金は、原則として返還されません 。着手金は、申立て準備などの業務を開始するための対価であり、手続きの成否にかかわらず発生する費用だからです。ただし、郵便切手代などの実費として預けていたお金が残っている場合は、清算の上で返還されます。

まとめ:民事再生の費用を正確に把握し、早期の専門家相談へ

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  • 法人向け民事再生にかかる費用の総額と相場
    • 費用の総額は負債額で変動|数百万円からが目安
    • 負債総額から見る費用相場の一覧
    • 申立て費用と並行して確保すべき運転資金の考え方
    • 予納金の金額と算定基準(負債総額に応じた基準表)
    • 手続きの公表に必要な官報公告費の実費
    • 着手金の相場と支払いタイミング
    • 報酬金の相場と算定方法
    • その他、法律相談料や日当などの実費
    • 弁護士費用の見積もりを比較検討する際のポイント
    • 監督委員の報酬額の目安と役割
    • 必要に応じて選任される調査委員の報酬
    • 弁護士費用は分割払いに対応している事務所を探す
    • 予納金の分納を裁判所に申し立てる
    • スポンサーからの資金援助を受けて費用を捻出する
    • 申立て前の資産売却による費用捻出の注意点
    • 事業再建を目指す民事再生と清算を前提とする破産との違い
    • 費用をかけてでも民事再生を選択するメリット
    • 手続きに伴うデメリットと事業上のリスク
    • 手続きの対象と目的の根本的な違い
    • 費用の規模感と内訳の比較
    • Q. 民事再生と自己破産では、どちらの費用が高額になりますか?
    • Q. 民事再生にかかる費用は、会社の経費として計上できますか?
    • Q. 申立て後、従業員の給与は支払われますか?
    • Q. 途中で民事再生を断念した場合、支払った弁護士費用は戻ってきますか?
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