チェンバロ協奏曲 (ファリャ)
マヌエル・デ・ファリャ (Manuel de Falla,1876-1946)作曲のチェンバロ協奏曲 G.71 (Concerto for Harpsichord)について、解説とおすすめの名盤レビューをしていきます。 …
モダン・チェンバロはチェンバロ復興の初期から半世紀ほど弾かれていた楽器です。ピアノのような金属フレームを持ち、音量が大きく、現代の楽器と協奏曲の演奏が出来る位です。カール・リヒターによって弾かれ、1960年代まで中心的な存在でした。しかし、その後ヒストリカル・チェンバロの研究が進み、木の筐体を持つヒストリカル・チェンバロのほうが音色が良いことが分かり、モダン・チェンバロは急速に衰退してしまいました。現在では、大編成のプーランクのチェンバロ協奏曲でも、ヒストリカル・チェンバロで弾かれることが多いです。
おすすめの名盤レビュー
それでは、ファリャ作曲チェンバロ協奏曲の名盤をレビューしていきましょう。
シルビア・マルケス・チュリリャ, ビルヒニア・マルティネス=ムルシア地方交響楽団チェンバロ シルビア・マルケス・チュリリャ 指揮 ビルヒニア・マルティネス 演奏 ムルシア地方交響楽団
シルビア・マルケス・チュリリャのチェンバロ独奏とマルティネス=ムルシア地方交響楽団の録音です。最近リリースされたのか、マイナー曲なのに在庫が多くてうれしい限りです。また録音も新しく 音質が非常に良く、とても臨場感 があります。
第1楽章は チェンバロで始まりますが、爪が弦を弾く感じ が良く伝わってきます。伴奏の管楽器も生き生きとしており、オーボエやフルートなど、息遣いが聴こえてきそうな高音質です。シンプルな曲ですが、細かい表情を付けているのが良く分かります。また、チェンバロと伴奏のバランスがとても良く、有機的なアンサンブルになっています。第2楽章は チェンバロを中心に様々な楽器が入り乱れますが、とても有機的なやり取り が感じられます。チェンバロを中心にインスピレーション豊富な演奏を繰り広げています。所でチェンバロの低音域を聴くと、モダン・チェンバロを使っているかも知れません。第3楽章は少し遅めのテンポですが、チェンバロのタッチがしっかりしています。木管なども余裕のあるテンポなので、 音色が艶やかで素晴らしいことと、チェンバロと伴奏の絡みが意外に複雑 なことが分かります。各楽器ともしっかり練られた表現なのが良いです。
ムルシア地方交響楽団もチェンバリストのチュリリャも初めて知ったプレイヤーですが、超絶技巧派でなくとも、とても楽しめる録音です。カップリングのプーランクのチェンバロ協奏曲なども小編成で味わい深い演奏です。
レンブラント・チェンバー・プレイヤーズ 表情豊かな演奏とスリリングでクオリティの高いアンサンブルレンブラント・チェンバー・プレイヤーズの演奏です。初めて聴くアンサンブルなのですが、非常にレヴェルが高く、録音もとても高音質でリアリティがあります。合奏協奏曲のような形態と見做しているのか、チェンバロ奏者の名前が見当たりません。このアンサンブルは全メンバーがかなりレヴェルが高いため、
第1楽章はチェンバロと他のパートのバランスが良く、録音も非常によく、非常に良い演奏です。 アンサンブルも有機的に絡み合い、ファリャのチェンバロ協奏曲の面白さが、これを聴いて初めて分かりました。 第2楽章はバランスの良さのおかげで、ポリフォニックな要素も結構あることが分かります。チェンバロの繊細なタッチによる表現が上手いです。第3楽章は、しなやかで艶やかな鮮度の高い演奏です。音質が良いおかげもあり、細かい表情までよく聴き取れます。
これまで繰り返しが多い曲だな、と感じていましたが、この演奏を聴いて認識が大きく変わりました。 チェンバロも細かい表情付けを行っており、他の楽器も繊細で艶やかな表情付けで、チェンバロとの一体感も高いです。 カップリングは現代音楽のような曲ですが、聴き易い曲で、演奏も素晴らしいです。
イゴール・キプニス,ブーレーズ=ニューヨーク・フィル 安易に親しみやすい演奏にせず、クオリティの高い名盤チェンバロ イゴール・キプニス 指揮 ピエール・ブーレーズ 演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
イゴール・キプニスのチェンバロにブーレーズとニューヨーク・フィルの演奏です。
ファリャは新古典主義と言っても懐古主義的な部分が多く、親しみやすい曲ですが、 ブーレーズとニューヨーク・フィルは、真摯に向き合い、しっかりスコアを読み込み、理知的に整理した名盤 です。ただ親しみやすくて、楽しい演奏とは一線を画しています。チェンバロは低音がしっかりしたモダンチェンバロです。ブーレーズのテンポ設定も的確で、クオリティの高いアンサンブルであると共に、曲の良さを上手く活かした演奏です。管楽器のソロのレヴェルは高く、それも聴きごたえがあります。 第3楽章が特に良く、クオリティの高いアンサンブルで、とてもスリリングで楽しめます 。
ジョン・コンスタブル,ラトル=ロンドン・シンフォニエッタチェンバロ ジョン・コンスタブル 指揮 サイモン・ラトル 演奏 ロンドン・シンフォニエッタ
チェンバロにジョン・コンスタブル、伴奏は若きラトルとロンドン・シンフォニエッタの演奏です。カップリングで歌劇「ペドロ親方の人形芝居」全曲が収録されており、貴重なCDです。チェンバロ協奏曲やチェンバロ復興の歴史が良く分かる選曲です。
第1楽章は、音色から類推してモダン・チェンバロを使っていると思います。非常に録音も良く、ロンドン・シンフォニエッタはソロのレヴェルが高く、ラトルのセンスの良いはっきりした音楽づくりもあって、管楽器のソロなど楽しんで聴くことが出来ます。第2楽章は、チェンバロのパッセージが技巧的な部分も多く、チェンバロの聴き所が分かりやすいです。第3楽章はリズムのしっかりした楽しめる演奏です。 チェンバロのリズミカルな演奏、ブリリアントな管楽器の演奏、若いラトルの整理された音楽づくりとフレッシュさのある指揮 で楽しめます。
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楽譜・スコア
ファリャ作曲のチェンバロ協奏曲の楽譜・スコアを挙げていきます。
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