【思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど
五・七・五・七・七の合計三十一文字からなる短形詩「短歌」。 歌人の瑞々しい感性が限られた文字数で生き生きと表現されます。調子よく口ずさみやすいところや、短く手軽なことなどから愛好する人も多くいる文
俵万智「サラダ記念日」 様々な恋や普段気にも留めない心の機微が日常の言葉にのせ歌われる。無駄な言葉や表現をそぎ落とす。そうして出来た短歌は研ぎ澄まされいて、心を打つ。 ○思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ/ただ君の部屋に音をたてたくてダイヤル回す木曜の午後○ pic.twitter.com/QAsrB7GI9n
— ヒロキ@読書垢 (@ookami24102) November 16, 2016
現代語訳と意味(解釈)「過ぎてしまった夏の楽しい思い出の一つのように感じて、へこんだ麦わら帽子をそのままにしておこうと思う」
文法と語の解説「思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ」の句切れと表現技法
句切れこの句に句切れはありませんので 「句切れなし」 です。
句またがり思い出の 一つのようで そのままに しておく / 麦わら 帽子のへこみ
通常の短歌の音韻とはズレが生じるため最初は読み手に違和感を与えますが、句またがりを用いることで 歌に独特のリズムを生み、歌に音楽性をもたらします。
字余り短歌は、五・七・五・七・七の三十一音が基本です。しかし、この句は 第四句が「しておくむぎわら」と八音 になっています。このように字数が多いものを「字余り」といいます。
あえてリズムを崩すことで印象を強めています。
体言止め体言止めとは、 文末を名詞や代名詞などの体言で止める技法の事 を指します。
倒置法倒置法とは、 本来の言葉の順番をあえて入れ替えて逆にして印象を強めたり、余韻を残す表現技法のこと です。
「思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ」が詠まれた背景
「思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ」が収録されている『サラダ記念日』は、作者の俵万智さんの代表作であり、表題にもなっている“「美味しいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日”にもみられるように、 恋愛の歌を詠んだ歌集 です。
俵万智さんの短歌の特徴でもある口語調のものは、 ライト・ヴァース(light verse) と呼ばれています。1980年代のバブル期の波に後押しされ流行した形式です。
「思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ」の鑑賞
歌中では明言こそされていないものの、 夏を一緒に過ごした“誰か”との思い出のように感じて、そのへこみを直さずにとっておこうとした のです。
「へこみ」とは、本来の状態よりへこんでいる、という マイナスのイメージをもつ言葉で す。
「夏の思い出」の「へこみ」、すなわち 失恋の歌であると解釈できます。
作者「俵万智」を簡単にご紹介!
俵万智のその他の作品
- 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ『サラダ記念日』
- 来年の春まで咲くと言われれば恋の期限にするシクラメン『かぜのてのひら』
- 男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす『チョコレート革命』
- まっさきに気がついている君からの手紙いちばん最後にあける『とれたての短歌です。』
- 生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり『プーさんの鼻を』
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- 1 「思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ」の詳細を解説!
- 1.1 作者と出典
- 1.2 現代語訳と意味(解釈)
- 1.3 文法と語の解説
- 2.1 句切れ
- 2.2 句またがり
- 2.3 字余り
- 2.4 体言止め
- 2.5 倒置法
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