羽生結弦がソチ五輪で披露した荒川静香への感謝も込めたイナバウアー
トリノ五輪でフィギュア史上アジア初の金メダルに輝いた荒川静香
2006年トリノ冬季五輪で不振が続いた日本選手団の救世主となったのが、フィギュアスケート女子で当時24歳の荒川静香(プリンスホテル)だった。 ショートプログラム(SP)3位から逆転を期した勝負のフリーは地元イタリアの歌劇「トゥーランドット」。長い手足を生かした美しく、エレガントな滑りで観客を虜にし、上体を反らせて銀盤を横断する代名詞「イナバウアー」からの3回転―2回転―3回転の鮮やかな3連続ジャンプを決めると、合計191.34点で逆転の金メダル。難度の高いプログラムをほぼ完ぺきにこなし、息をのむような演技に魅了された競技場が割れんばかりの拍手喝采で沸き返った。 五輪のフィギュアでアジア選手の優勝は史上初の快挙で、日本選手団の大会第1号メダル。SP1位のサーシャ・コーエン(米国)が183.36点で2位、イリーナ・スルツカヤ(ロシア)は転倒が響いて181.44点の3位で全米女王も世界女王も打ち破り、欧米が独占してきた五輪フィギュアスケートの歴史を塗り替える金字塔を打ち立てた。 五輪フィギュアでの日本選手のメダルは1992年アルベールビル大会銀メダルの伊藤みどり以来、2個目。イタリア各紙も「氷上のプリンセス」「東洋の女神」と五輪のヒロインへ称賛が相次いだ。