. 音楽枕草子
音楽枕草子
音楽枕草子

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今年はフランスの作曲家モーリス・ラヴェル(1875年~1937年)の生誕150年です。数々の代表する作品がありますが、その中から今回は1911年に作曲されたピアノ独奏曲「優雅(高雅)で感傷的なワルツ(円舞曲)」≪仏語:Valses nobles et sentimentales≫をご紹介したいと思います―この日本語訳が「亡き王女のためのパヴァーヌ」と共に心の琴線に触れるタイトルなんですよね。

作品に対してラヴェル自身はシューベルトのワルツをモチーフとしていると述べています。しかし、シューベルトと共通するのは繊細なメロディーくらいでラヴェルの音色と色彩に満ちた独自性があり、ピアニストにとってはレパートリーとしておきたい作品でしょう。

曲の開始はファンファーレのように4つの音が前打音として弾かれそれが変幻自在に変化していくのが第1曲。以下8つの舞曲が次々と登場して展開されていきます。うっとりとしたり(第2曲・第5曲)、わくわくしたり(第3曲・第6曲)、艶やかさ、色っぽさ(第7曲・第8曲)がラヴェルらしさを十分に感じることができます。それが「優雅」な面と「感傷的」な面を対比させているといわれます。

全曲で中心・重要(核)となるのは第7曲となるのでしょう(ラヴェル自身もそのように云っています)

ラ・ヴァルスにも通じる艶やかにして爛熟しながら徐々に盛り上がっていく音楽からは終末的な「危うさ」を感じます。第8曲ではエピローグと題され、それまでのワルツのモチーフがパッと点いては消えるように儚く現れます。

あと、第3曲では調性と無調を行き来するような繊細な色彩と表現がきこえます。

出版・初演の翌年にはバレエ「アデライド、または花言葉」の音楽としてオーケストラ用に編曲されて舞台上演されています。音楽は別としてストーリ自体は他愛もないのでここでは割愛します。

【Disc】

ラヴェルの定番演奏ともいえるサンソン・フランソワに長く親しんできたのでオススメしておきます。

独特のリズム感覚と感性のままに弾かれるような語り口が特徴的です―こんな風にピアノを弾くことができれば・・・と、たいして弾けない自分はつい夢想してしまいますが、本職のピアニストやアマチュアの方は彼のスタイルはどのように評価するのか気になります。

もうひとつフリードリヒ・グルダの珍しいライヴ録音を。

彼がラヴェルを弾いた録音は少ないですがキャリア初期からレパートリーにしていたようでデッカとスタジオ録音を残しています。しかしこのディスクは1967年にルーマニアの指揮者を記念して開催された音楽祭「ジョルジュ・エネスコ国際音楽祭」に出演した時のものになります。

年代もありモノラル録音ですが、グルダの珍しいラヴェルの録音というだけでなく、激しさのある表現と弱音の冴えをきくことができます。当然、音の古さもあり万全なスタジオ録音だったらとも感じなくはないですが。

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