火星の岩石から「最も明確な生命の兆候」、NASA発表
NASAの火星探査車「パーサビアランス」は2024年7月、「シェヤバ・フォールズ」という岩石に「ヒョウ柄の斑点」を発見した/NASA/JPL-Caltech/MSSS
(CNN) 火星探査車「パーサビアランス」が2024年に採取した岩石にみられたヒョウ柄の斑点は、古代の生命によって作られた可能性がある。米航空宇宙局(NASA)は10日、科学者たちがそう考えていると発表した。研究チームはこの新たな分析に関する査読済み論文をネイチャー誌に発表したが、さらなる研究が必要だとしている。
「1年間の検討を経て、研究者らが『他に説明が見つからない』と言った」と、NASAのダフィー暫定長官は述べた。「これは火星でこれまでに発見された中で最も明確な生命の兆候である可能性が非常に高い」
「サファイア・キャニオン」と呼ばれるこの試料は、パーサビアランスが24年7月、ネレトバ渓谷の端にある「シェヤバ・フォールズ」という矢じり形の岩石から採取したもの。この地域は、30億年以上前にジェゼロ・クレーターに流れ込んだ水によって形成された。
シェヤバ・フォールズの調査
科学者のケイティ・スタック・モーガン氏によると、35億年以上前、ネレトバ渓谷は急流で満たされ、泥や砂、砂利を湖に運んでいた。同氏はNASAのジェット推進研究所(JPL)でパーサビアランスプロジェクトに携わっている。
最終的に水が干上がった後、「ブライト・エンジェル」と呼ばれる岩石露頭が残った。シェヤバ・フォールズはここから発見されており、火星に「居住可能な環境があった可能性」を示す記録が保存されているという。
グランドキャニオンの滝の一つにちなんで名付けられたシェヤバ・フォールズには、パーサビアランスの科学チームが「ケシの実」と名付けた小さな黒い斑点と、それよりも大きい、「ヒョウ柄の斑点」と名付けた模様が見られた。
「こうした質感の特徴は、これらの岩石に非常に興味深い何かが起きたことを示している。たい積した時に何らかの化学反応が起こったのだ」と、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の惑星科学者で、研究の筆頭著者ジョエル・ヒューロウィッツ氏は述べた。
パーサビアランスは岩石中に有機化合物も検出。有機化合物はブライト・エンジェル地層の他の数カ所でも発見されている。
「これは、有機物の存在下に、さびた赤い泥がたい積していたことを示している」とヒューロウィッツ氏は指摘する。
地球上では、これらの炭素系分子は生命の構成要素とされる。岩石の斑点は、かつて岩石内で起こっていた古代の化学反応が微生物を支えていたことを示している可能性がある。
硫酸カルシウムの白い脈は、生命にとって不可欠な水が岩石を流れていたことを明確に示している。また、パーサビアランスの装置によって検査された、不規則な形のヒョウ柄の斑点には鉄とリン酸塩が含まれていた。
硫酸カルシウムの白い帯の間にはヘマタイトが存在する可能性があることも判明した。ヘマタイトは、火星の特徴的な赤色の要因となる鉱物の一つだ。ヒョウ柄の斑点は、ヘマタイトとの化学反応によって岩石が赤色から白色に変化した際に生じたのかもしれない。この反応により鉄とリン酸塩が放出され、黒い輪が形成されることがある。こうした反応は微生物のエネルギー源にもなりうる。
これらの特徴は、リン酸第一鉄や硫化鉄、あるいは藍鉄鉱やグレイジャイトといった鉱物の存在によるものと考えられるという。通常、これらの鉱物は低温で水が存在する環境で形成される。
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