万博イタリア館の美術作品を超解説!カラヴァッジョにミケランジェロにダ・ヴィンチ、ペルジーノの作品もある?
こんにちは!
今回は、大阪・関西万博2025 イタリア館に集結するアート作品を紹介します。
早速見ていきましょう!
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2025.10.05目次
- イタリア館
- 1. ファルネーゼのアトラス
- 1. 基本データ
- 2. アトラスってどんな神?
- 3. 見どころ①──アトラスの必死さ
- 4. 見どころ②──石に刻まれた星空
- 5. なぜ“唯一無二”と言われるの?
- 6. 裏話
- 2. カラヴァッジョ《キリストの埋葬》(1603–04)
- 1. 基本データ
- 2. どんな場面?
- 3. 見どころはここ!
- V字に落ちる“光のナイフ”
- 力学的バランス
- 石板のシンボリズム
- 4. 制作&その後の運命
- 5. 後世へのインパクト
- 3. ミケランジェロ《キリストの復活(第一稿)》
- 1. 基本データ
- 2. どうして“幻”なの?
- 3. 像の見どころ
- 復活のパワーポーズ
- 黒い筋とベルニーニのタッチ
- ミケランジェロらしい“ねじり”
- 4. 数奇な旅路タイムライン
- 4. ドメニコ・ティントレット《伊東マンショの肖像》(1585)
- みどころ
- 背景・豆知識
- 5. レオナルド・ダ・ヴィンチ《アトランティック手稿》
- みどころ
- 背景・豆知識
- 6. アルトゥーロ・フェラリンの飛行機(SVA9型機再現)
- 7. ヤゴ《循環器系》
- 8. フランチェスカ・レオーネ《No Name》
- 9. オリアナ・ペルシコ《pneumOS》
- 10. 隈研吾×ガラス工房サルヴィアティ《dieXe》
- 11. ジュリオ・チンティ《カノポ》
- 12. ボッチョーニ《連続性の中の唯一の形態》
- 13. 2026年ミラノ・コルティーナ冬季オリンピック 聖火トーチ
- 14.ペルジーノ《正義の旗》(1501年頃)
- 1. 基本データ
- 2. どんな場面?
- 3. 見どころはここ!
- 柔和な色彩と甘美な表情
- 空間の静けさ
- 「旗」としての機能美
- 4. 制作&その後の運命
- 5. 後世へのインパクト
イタリア館
イタリア館は「Art Generates Life」を掲げ、古代ローマの《ファルネーゼのアトラス》からレオナルド手稿、最新インスタレーションまで一挙公開!
芸術・科学・技術を融合し、過去-現在-未来の“生命力”を体感できるタイムカプセル空間です。
目玉はカラヴァッジョ《キリストの埋葬》やファルネーゼのアトラスなど、名品ぞろいです。
1. ファルネーゼのアトラス
出典 : Museo Archeologico Nazionale di Napoli『Collezione Farnese』
世界最古の星座球”を背負うタイタン像。
頭部をのぞき込むと肩越しに星座が読める。右斜め前から撮影すると筋肉と天球がバランス良く収まる。
1. 基本データ 作品名ファルネーゼのアトラス(Atlante Farnese)制作年代2世紀中頃(アントニヌス朝)素材大理石サイズ高さ約1.9 m、重さ約2 t所蔵ナポリ国立考古学博物館(MANN)サローネ・デラ・メリディアーナ中央展示コレクション1562年に枢機卿アレッサンドロ・ファルネーゼが255スクードで購入 2. アトラスってどんな神?- ギリシア神話の巨神タイタン族。
- ゼウスに反逆した罰として天空を支える役目を課せられた。
- 「重荷に耐える者」という語源から、英語の “atlas(地図帳)” もこの神に由来。
像を一周すると、力みすぎて食いしばった表情と盛り上がる筋肉がよく分かります。左肩から垂れる分厚いマントまでもが重さを強調し、見ているこちらの肩も凝りそうです。彫刻のポーズはローマ人が愛した“ヒーローの苦闘”そのもの。
4. 見どころ②──石に刻まれた星空天球の直径は約65 cm。厚さ6 mmほどの浅浮彫で、
- 41〜42の星座
- 黄道十二宮
- 天の赤道・黄道・子午線(コルーリ)
がびっしり刻まれています 。古代でここまで詳細な星図は超レア。17世紀の天文学者カッシーニやビアンキーニも、この球体を観察して星座の位置を検証したほどです。
豆知識球のてっぺんに大きな穴が開いているのは、昔に日時計(グノモン)を差して“巨大な石の腕時計”にしていた可能性があるから、らしいです。
5. なぜ“唯一無二”と言われるの?- コピーがない同じサイズ・同じ図柄の複製が確認されておらず、現存はこの一体のみ。
- 芸術×科学のハイブリッド迫真の人体表現と、当時最先端だった天文学知識が一つの彫刻で味わえる。
- 歴史を動かしたスター像16世紀以降、星図や天球儀のデザインモデルとしてヨーロッパ各地で研究対象に。
- ヒッパルコス説天球に描かれた星座の位置が、紀元前129年ごろの星表と近いという研究があり、元モデルは失われたヘレニズム期の青銅像だった可能性が高い。
- ローマ皇帝のプロパガンダ?「帝国を背負う皇帝の苦労」を象徴する図像として、アントニヌス朝の公共施設に置かれたという説も。
2. カラヴァッジョ《キリストの埋葬》(1603–04)
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ《キリストの埋葬》1603-1604年
石板の角とニコデモの肘が鑑賞客側へ突き出す“飛び出し効果”は、真正面よりやや左寄りがベストポジション。
1. 基本データ 作品名キリストの埋葬(伊 Deposizione/英 The Entombment of Christ)制作年1603–1604年頃技法カンヴァスに油彩サイズ高さ300 cm × 幅203 cm現在地バチカン美術館 絵画館(元の礼拝堂には複製)依頼者ジローラモ・ヴィットリーチェ(キエーザ・ヌオーヴァの「ピエタ礼拝堂」用) 2. どんな場面?- 十字架から降ろされた直後のキリストを、ニコデモとヨハネが石板(「終油の石」)に載せる瞬間。
- 背後には嘆き悲しむ3人のマリア:
- クロパの妻マリア(両腕を天に)
- マグダラのマリア(ハンカチで涙を拭く)
- 老いた聖母マリア(尼僧服で祈りの姿)
- 題名は“埋葬”でも、実際は香油を塗る儀式の前段階を描く。
カラヴァッジョ得意のキアロスクーロ(強烈な明暗対比)。暗闇から切り取られるように人物の顔や手が照らされ、視線が自然とキリストの遺体へ導かれます。
力学的バランス- キリストは静かに水平。
- それを支える2人の男は不安定な体勢で必死。
- 安定と不安定の緊張感が、画面にドラマを生みます。
- 石は「隅の親石」=キリストが教会の土台になることを暗示。
- 祭壇正面に掛けられていたため、ミサで掲げられる聖体と絵のキリストが重なり、「これは私の身体である」という教義を視覚化しました。
- 1602年ごろ依頼 → 1603–04年完成。
- キエーザ・ヌオーヴァの第2礼拝堂に設置。
- 1797年 ナポレオン軍によりパリへ移送、ルーヴルで約20年展示。
- 1816年 返還され、現在はバチカン美術館が所蔵。礼拝堂には精巧な複製が残る。
- ルーベンスやダヴィッドが模写・引用。
- セザンヌ、ジェリコー、フラゴナールらも研究対象に。
- 暗闇から浮かび上がるリアリズムは、バロックから近代へ続く光と影の表現に大きな影響を与えました。
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2020.03.273. ミケランジェロ《キリストの復活(第一稿)》
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
1. 基本データ 作品名キリストの復活(Cristo risorto/Cristo della Minerva〈初稿〉)制作年1514–1516年にミケランジェロが着手1618–1619年ごろ若きベルニーニ(と伝わる彫刻家)が仕上げ素材・サイズカッラーラ産大理石、高さ約2.05 m現所蔵バッサーノ・ロマーノ(ラツィオ州)サン・ヴィンチェンツォ・マルティーレ教会日本公開2017年(東京)に続き、2025年大阪・関西万博で2度目 2. どうして“幻”なの?- 黒い筋事件顔の大理石に黒いスジが出現し、ミケランジェロが制作を放棄。
- 庭に放置→行方不明依頼主メテッロ・ヴァリの邸宅庭園に置かれ、その後市場に流出。17世紀初頭には“作品迷子”状態。
- ベルニーニが救出?1618–19年頃、若きベルニーニが右手や顔を整え、像を完成させたと推定。
- 教会で再発見(1997年)ラツィオの小さな村サン・ヴィンチェンツォ教会で“失われたミケランジェロ”と確認され、世界的話題に。
- 右手:大きな十字架+磔の縄を力強く抱える。
- 体の傷:釘跡のある手・槍傷の胸が、受難→復活のストーリーを物語る。
- 生々しい肉体:若いキリストの引き締まった体は“死を克服した完全な肉体”を象徴。
- 左頬にうっすら残る黒い筋が“幻の理由”そのもの。
- 仕上げた彫刻家はベルニーニ説が有力。顔や右手の繊細さに、バロック的な動きが加わっていると言われる。
- ゆるやかなS字カーブと、片膝を緩めたポーズで“動き出す直前”の緊張感を演出。
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2020.06.304. ドメニコ・ティントレット《伊東マンショの肖像》(1585)
ドメニコ・ティントレット《伊東マンショ》1585年
ドメニコ・ティントレットはヤコポ・ティントレットの息子です。有名なのは父ヤコポの方です。
技法・サイズ 油彩/カンヴァス 54 × 43 cm 所蔵 ミラノ トリヴルツィオ財団
みどころ- 異国情緒ある黒い瞳とレース襞の巨大なラフ。
- 16歳の少年がスペイン流行の銀糸入りダブルト(スペイン宮廷風の上着)で堂々とポーズ。
- 1585年、ヴェネツィア元老院が「天正遣欧少年使節」を記念する集団肖像画を依頼──本作はその“下絵”として急写されたと考えられる。
- その後計画は頓挫し、キャンバス単体で残存 → 2014年再発見。
5. レオナルド・ダ・ヴィンチ《アトランティック手稿》
1119枚の天才ダ・ヴィンチのノートから素描4点が来日、2枚ずつの展示。鏡文字メモと発明スケッチの共演。
みどころ- 鏡文字メモと精緻な線描が同居。レオナルドの思考の速さが紙面に残る。
- 名は大型帳簿(アトラス)に綴じ変えられたことに由来。
- 光劣化を避けるため照度50lx以下+短期展示を徹底。
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2020.07.036. アルトゥーロ・フェラリンの飛行機(SVA9型機再現)
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
1920年ローマ→東京18,000 km飛行の木骨構造を“裸”展示 持続可能素材×航空史ロマン。
7. ヤゴ《循環器系》
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
30個の白いセラミック心臓がCO₂データで鼓動 “命のリズム”をリアルタイムで体感。
8. フランチェスカ・レオーネ《No Name》
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
酸化鉄板を折り曲げた廃材を“記憶の花”へ転生。
9. オリアナ・ペルシコ《pneumOS》
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
空気質データを音・光・味覚に変換する呼吸インスタレーション。都市の“息づかい”を五感で可視化。
10. 隈研吾×ガラス工房サルヴィアティ《dieXe》
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
ムラーノガラスの10片モジュール照明。ガラス格子が天井に木漏れ日を描く。
11. ジュリオ・チンティ《カノポ》
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
玄武岩繊維を使用したエポキシ樹脂の彫刻+木製噴水。夏の大三角の星座に着想を得て作られた作品。
オルフェウスとエウリュディケの神話と日本の織姫と彦星の伝説をミックスした彫刻。
夜間、水面に夏の大三角が反射。
12. ボッチョーニ《連続性の中の唯一の形態》
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
ボッチョーニの1913年未来派の疾走する人体ブロンズ。芸術・工学・科学の融合を象徴する作品です。
ボッチョーニを超解説!母の溺愛でワガママに育った?
2021.05.2013. 2026年ミラノ・コルティーナ冬季オリンピック 聖火トーチ
出典 : L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA『アート作品とインスタレーション』
建築家カルロ・ラッティのデザインです。世界初公開だそう。
14.ペルジーノ《正義の旗》(1501年頃)
ペルジーノ《正義の旗》1501年頃
8月31日から追加される作品です!万博閉幕まで鑑賞できます。
1. 基本データ 作品名正義の旗(伊 Gonfalone della Giustizia/英 Gonfalon of Justice)制作年1501年頃技法テンペラおよび油彩/キャンバスサイズ高さ 約278 cm × 幅 約138 cm現在地国立ウンブリア美術館(ペルージャ)依頼者ペルージャの「正義の兄弟会(Confraternity of Justice)」 2. どんな場面?作品は都市の祭礼で掲げられる「旗(ゴンファローネ。宗教行列用の巨大な聖画入り旗)」として制作された宗教画。旗とはいっても、バサバサ振り回したりはせず、幕のように掲げるだけです。中央には玉座に座っているかのような聖母マリアと幼子イエス。その周囲に天使たちが描かれ、清らかで荘厳な雰囲気を醸し出しています。
題名は「正義の旗」ですが、直接的な裁きを描くのではなく、聖母子を通じて「神の正義」「都市を守護する正義」を象徴する作品です。都市の共同体が神に庇護を求め、秩序を祈願する意味を持っていました。
3. 見どころはここ! 柔和な色彩と甘美な表情ペルジーノらしい明澄な青空や、澄んだ風景の奥行き。人物は理想化され、微笑みをたたえる聖母や天使の顔立ちは「甘美」と評されます。
空間の静けさ左右対称の構図、柔らかい光のグラデーション。ルネサンス的な秩序感が、鑑賞者に安心感を与えます。
「旗」としての機能美通常の祭壇画と異なり、布に描かれ都市の行列で掲げられたため、人物は大きく明快に描かれ、澄んだ色彩と明瞭な輪郭によって遠目にも識別しやすい構成になっています。
4. 制作&その後の運命- 1496年頃(1501年の説もあり)、ペルージャの「正義の兄弟会」より依頼。都市の守護と「正義」を象徴するため制作。
- 都市の宗教的・政治的行事において「旗」として掲げられ、市民の共同体意識を強める役割を果たした。
- その後、保存のため美術館へ収蔵。現在は国立ウンブリア美術館(ペルージャ)の重要所蔵品。
- 2025年、大阪・関西万博イタリア館にて特別展示。
- ラファエロの師としての影響ペルジーノはラファエロの師であり、この柔らかな表情や澄んだ色彩はラファエロ初期作品に強く受け継がれました。
- 理想美の典型ペルジーノ作品は「優美で均整のとれたルネサンス様式」の典型とされ、後世の宗教画や祭礼美術のモデルとなりました。
- 近代的評価後世の批評では「甘美すぎる」「感情表現に乏しい」とされる一方、その静謐さは今日では逆に独自の魅力として再評価されています。
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