. 無差別殺傷事件 社会に不満ぶつける理不尽さ
無差別殺傷事件 社会に不満ぶつける理不尽さ
無差別殺傷事件 社会に不満ぶつける理不尽さ

無差別殺傷事件 社会に不満ぶつける理不尽さ

無差別殺傷事件 社会に不満ぶつける理不尽さ 2025/05/17 05:00 保存して後で読む スクラップ機能は読者会員限定です(記事を保存) スクラップ機能について 読者会員に登録 読者会員の方はログイン 閉じる メモ入力 -最大400文字まで キャンセル 完了

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 自分の境遇への不満を社会にぶつけるかのような無差別殺傷事件が続発している。動機や背景を一つひとつ分析し、どうしたら暴発を防げるか、考える必要がある。

 4月14日夜、さいたま市のマンション入り口で、女子高校生が刺殺された。殺人容疑で逮捕された25歳の男は女子高生とは面識がなく、「虐待を受けて性格がゆがんだ。自分は社会の底辺にいる」と話しているという。

 5月7日には東京メトロ東大前駅で乗客が切りつけられ、43歳の男が逮捕された。男は「親の教育虐待で不登校になり、苦労した」と主張し、教育熱心な親たちに警告する意味で事件を起こしたといった趣旨の供述をしている。

 いずれも、自分の人生がうまくいかない 鬱憤 ( うっぷん ) を、無関係の人たちを襲うことで晴らそうとしているように見える。極めて理不尽で、いかなる理由があったとしても、絶対に許されない行為だ。

 さらに5月11日には、千葉市内の路上で高齢女性が刺殺され、中学3年の少年が逮捕された。「複雑な家庭環境から逃げ出したかった。誰でもいいから殺そうと思った」と述べたとされる。

 三つの事件の背景には、「家庭」の問題が潜んでいるとみられる。警察は、それぞれの事件について、親子の関係性や家庭の経済状況などにまで踏み込んで、凶行に至る経緯を解明してほしい。

 子供の教育は従来、学校と家庭、地域の三位一体で担うものだとされてきた。しかし近年は、地域の人間関係が薄れている。家庭も子供の数が減り、それぞれが個室で自分の世界に没頭するような生活スタイルが定着している。

 他者との触れ合いが少ない中で育った人は視野が狭くなり、自分だけが不幸だ、といった思い込みに 囚 ( とら ) われやすいのではないか。

 核家族化が進み、親も、身近に相談できる相手がいないなど孤立しやすくなっている。子供とうまくコミュニケーションがとれないといった悩みを一人で抱え込んでいるケースも多いに違いない。

 地域の見守り機能に期待するのが難しい現状では、その役割を公的機関に補完してもらう必要もあるだろう。まずは、困難を抱えていそうな家庭の情報を、警察や学校、虐待を見つけやすい医療機関などと共有することが重要だ。

 そのうえで、カウンセラーを派遣するなど「プッシュ型」の支援を進めたい。絵本の朗読会を開くなど幼少期の情操教育をサポートする取り組みも大切になろう。

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