玄関スロープの作り方【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】
あなたの家庭の安全は、常に心に重くのしかかる問題です。とくに屋外のスロープの設計は、転倒や怪我のリスクを伴います。この不安を解消するため、あなたはどう対処しますか?
この記事ではそんな不安を一掃するため、スロープの設計から安全な使用方法まで詳しく解説します。また、施工のコツやおしゃれな実例も豊富に紹介するつもりです。
最後まで読み進めることで、家族全員が安心して使えるスロープが、どのようにして実現できるか明確になりますよ😊
- この記事の執筆者 菅間勇 -埼玉県生まれ。外構エクステリア業界20年以上(現在も現役)。2級建築士・2級建築施工管理技士。戸建て住宅の外構、庭づくり、植栽を中心に、現場経験をもとに情報を発信しています。 ≫信頼できる情報発信に向けての取り組みこのページの内容
- 玄関 ⇄ 階段のスロープとは?
- 【3つ】玄関にスロープがあるデメリット
- 【3つ】玄関にスロープがあるメリット(得られる恩恵)
- 【コツ7選】玄関 ⇄ 階段のスロープのおしゃれな作り方 ⭐
- 【どっちがいい?】バリアフリーにはスロープ or 階段?
- 【作り方のコツ】基準幅・滑り止め舗装を紹介
- 【勾配・角度】スロープの勾配を計算する方法
- 【車いす用に工夫】スロープを設計するポイントとは?
- 【自転車やバイク用】階段とスロープを併設させよう!
- 【後付けDIY】階段をスロープにする方法(簡易的!)
- 【手すり】スロープを作るなら屋外用手すりは必須!
- まとめ
玄関 ⇄ 階段のスロープとは?
スロープとは、日本語の「傾斜・斜面」という意味で、バリアフリー用につくる通路のことです。
屋外ではおもに「玄関ポーチからアプローチ」にかけて作ることが多く、階段の代わりに利用します。アプローチが広ければ、階段の隣に併設することもあり、両方あると生活がより便利です。
屋外用スロープのかっこいい施工例また「階段の上り下りが大変なので、緩やかなスロープをつくって欲しい」という、リフォーム工事の問い合わせも増えています。だれだって年をとると、ちょっとの段差でも危険ですからね。
【3つ】玄関にスロープがあるデメリット
デメリットは3つ- 階段が狭くなる
- 距離がないと勾配がきつくなる
- 勾配がきついと転びやすくなる
スロープの使い方にもよりますが、ある程度広い場所がないとスロープは作れません。
幅が狭くて急勾配のスロープは逆に危険で、転んでケガをする可能性が高まります。ゆったり使えるスロープが作れないなら、計画しないほうがいいかもしれません...
【5つ】玄関にスロープがあるメリット(得られる恩恵)
メリットは5つ- つまづき転倒がなくなる
- 外に出かけるようになる
- 車椅子の上り下りがしやすい
- 小さい子供でも自分で歩ける
- タイヤ付きアイテムが移動しやすい
車椅子はすごく重いので、楽に上り下りができるのがいちばんのメリットです。
段差がないのでスムーズに歩け、階段のようにつまずいて転ぶことも減ります。外出の機会が増えれば、ストレス発散にもなるでしょう。
子育て世代にとってのメリット子育て世代にもメリットはたくさんあり、ベビーカー・自転車・買い物カートなどの移動が楽です。
また、小さい子供を抱っこして階段を登るのは大変!そこでスロープがあれば、子供は面白がって自分で歩くようになります。
【コツ7選】玄関 ⇄ 階段のスロープのおしゃれな作り方 ⭐
ここからは、外構工事歴20年以上のプロが、屋外用スロープの工事で失敗しないコツを解説します。
ここでのポイントはこちら!- 【どっちがいい?】バリアフリーにはスロープ or 階段?
- 【作り方のコツ】基準幅・滑り止め舗装を紹介
- 【勾配・角度】スロープの勾配を計算する方法
- 【車いす用に工夫】スロープを設計するポイントとは?
- 【自転車やバイク用】階段とスロープを併設させよう!
- 【後付けDIY】階段をスロープにする方法(簡易的!)
- 【手すり】スロープを作るなら屋外用手すりは必須!
スロープは幅広でゆったり作るのがコツです。
舗装面は滑りにくい素材で仕上げ、そこに手すりをつければ完璧ですよ!
1.【どっちがいい?】バリアフリーにはスロープ or 階段?わたしの個人的な意見は以下。
勾配が緩ければスロープ!
ネットでいろいろ調べてみたところ、「どっちがいいか?」はその人によって意見が違います。このページ(≫同じところへ登る場合に階段とスロープどちらが楽ですか。)が参考になるのでどうぞ。
勾配がきついと足首に負担がかかるので、段差が低い階段なら歩くほうが楽です。逆に勾配が緩ければ足首に負担がかからないので、スロープの方が歩きやすいでしょう。
【結論】広ければ両方つくろう! スロープと階段を両方つくった施工例結局、両方あった方が生活しやすくなるので、敷地に余裕があれば併設するのがおすすめ!
上画像は、スロープと階段の両方がある施工例です。奥まった場所に門柱が作れたので、広々したアプローチに両方施工できました。石張り仕上げがおしゃれです。
狭い敷地なら「踊り場」をつくって、距離をかせぐ工夫をするといいでしょう。
上画像のおしゃれな施工例はこちら ⏬
ディーズガーデン物置がある施工例【パーゴラテラスを作った庭工事です】
2.【作り方のコツ】基準となる幅・滑り止めの舗装を紹介スロープづくりには、いくつか抑えておくべきポイントがあります。
ここでは、スロープ幅と舗装仕上げの紹介です。
バリアフリー法にある基準幅はどのくらい?国土交通省が定めるバリアフリー法には、スロープ幅の基準が記載されています。
- 【建築物移動等円滑化基準】スロープ幅は120cm以上
- 【建築物移動等円滑化誘導基準】スロープ幅は150cm以上
建築物移動等円滑化基準とは「最低限のレベル」で、建築物移動等円滑化誘導基準とは「望ましいレベル」のことです。
しかし上記は公共施設の建築物(病院・老人ホーム・学校など)が対象なので、戸建て住宅には当てはまりません。参考ページ:≫バリアフリー法
戸建て住宅なら、敷地の広さに合わせフレキシブルに幅を決めるのがいいでしょう。使う目的によっても幅は違うので、あとで個別の幅を解説します。
滑り止め仕上げの舗装がおすすめ! L型で洗い出し仕上げの玄関スロープなぜなら、傾斜があると滑りやすいので、滑り止めがあると安全だからです。
屋外スロープの舗装仕上げには、以下のような方法があります。
- 洗い出し仕上げにする
- コンクリート表面に凸凹をつける
- コンクリート表面をハケでザラザラにする
当社では1と3で仕上げることが多く、洗い出し仕上げには「リンクストーン」という材料をよく使います。
ほかには、滑り止め塗料・滑り止めマット・滑り止めシートなどもあり、これらはDIYでも後付けできるのがメリットです。
洗い出し仕上げの詳細はこちら ⏬
洗い出し仕上げのコンクリートおしゃれ4種類【舗装のデメリットも解説します】
3.【勾配・角度】スロープの勾配を計算する方法 ここでのポイントは3つ- バリアフリー法にある基準勾配はどのくらい?
- 住宅用スロープの勾配計算の方法
- 住宅用スロープ勾配のまとめ!
国土交通省が定めるバリアフリー法には、スロープ勾配の基準が記載されています。
- 【建築物移動等円滑化基準】スロープ勾配は1/12以下
- 【建築物移動等円滑化誘導基準】スロープ勾配は1/12以下(屋外は1/15以下)
建築物移動等円滑化基準とは「最低限のレベル」で、建築物移動等円滑化誘導基準とは「望ましいレベル」のことです。
しかし上記は公共施設の建築物(病院・老人ホーム・学校など)が対象なので、戸建て住宅には当てはまりません。参考ページ:≫バリアフリー法
戸建て住宅では敷地が限られているため、この基準で作るのは難しいでしょう。敷地からはみ出ないようにし、距離と高低差で勾配を決めるのが一般的です。
住宅用スロープの勾配計算の方法以下が勾配計算の早見表です。
勾配 1/5 1/8 1/10 1/12 1/15 角度 11.3° 7.1° 5.7° 4.7° 3.8° 高低差1m 長さ5m 長さ8m 長さ10m 長さ12m 長さ15m 高低差50cm 長さ2.5m 長さ4m 長さ5m 長さ6m 長さ7.5m 高低差30cm 長さ1.5m 長さ2.4m 長さ3m 長さ3.6m 長さ4.5m 高低差15cm 長さ0.75m 長さ1.2m 長さ1.5m 長さ1.8m 長さ2.25mまた、高低差と階段の段数の関係はこのぐらいです。
階段の段数(蹴上15cmぐらい) 高低差1m 6~7段 高低差50cm 3~4段 高低差30cm 2段 高低差15cm 1段 住宅用スロープ勾配のまとめ!まとめると以下となります。
- 住宅用スロープは勾配1/8・角度7.1°以下にしたい
- 高低差が50cmぐらいなら、長さは4m以上ほしい
- 高低差が30cmぐらいなら、長さは2.5m以上ほしい
住宅のスロープで歩くのが目的なら、この程度でもじゅうぶん!(だって1日数回しか使わないから)
ただし車いすを使うなら、もっと勾配をゆるくしたいです。逆に自転車を押しての上り下りなら、もっと急勾配でも大丈夫でしょう。
4.【車いす用に工夫】スロープを設計するポイントとは? ここでのポイントは3つ- 車いす用スロープの設計ポイント
- 舗装仕上げの設計ポイント
- 車いす用スロープの施工例
以下のように設計すると使いやすいです。
- 【幅】120cm以上
- 【勾配】1/12の以下
- 【舗装】滑りにくい仕上げ
- 【手すり】転落防止の柵にもなる
車いす自体の横幅は「60~70cm」ぐらいですが、なるべく幅広の方が使いやすいです。
また、勾配は1/12以下が理想ですが、戸建て住宅だと敷地が狭いので難しいでしょう。もし介助者が助けてくれるなら、もう少し勾配がきつくても大丈夫です(1/8までなら)。
舗装仕上げの設計ポイント 三協アルミの手すり「エトランポ」がある住宅スロープ以下のように仕上げると使いやすいです。
- 滑りにくい仕上げ
- 段差がなく平ら
- 溝を作らない
車いすには少しの段差でも大きな障害になるので、なるべく1回で仕上げるのがポイントです。何度も継ぎはぎすると凸凹ができ、タイヤがはまって進まなくなります。
滑りにくい仕上げ舗装は、すでに上で解説しました。ここではよく使う「リンクストーン」の詳細ページを紹介しておきます。
リンクストーンの詳細はこちら ⏬
リンクストーンの施工例おしゃれ7選【デメリットや施工方法も解説します】
車いす用スロープの施工例 スロープ幅は1m弱 スロープに手すりがある施工例玄関ポーチまでのアプローチに、まっすぐ施工したスロープです。
黒い手すりを設置し、舗装面はザラザラに仕上げて滑りにくくしました。幅は1m弱でやや狭いですが、戸建て住宅ならこれでも大きいぐらいです。
勾配は1/8ぐらいになっていて、やや急になっています。手すりを使えばひとりでも上れますが、降りるときは家族に手伝ってもらった方がいいでしょう。
この手すり付きスロープ施工例はこちら ⏬
手すりのある安心エクステリア工事【足の悪い方や車椅子の用の施工例】
5.【自転車やバイク用】階段とスロープを併設させよう! 階段に併設したスロープ以下のように設計するのがコツです。
- 【階段】併設する
- 【幅】20cmもあればOK!
- 【勾配】きつくても大丈夫!
いちばん大事なポイントは、階段に併設してつくることです。
自転車やバイクだけスロープを使い、人は階段を上るのが理想!なぜなら人もいっしょにスロープを使うと、かなり幅広のスロープを設計しないといけないからです。
自転車やバイク専用のスロープなら、タイヤ1本ぶんの幅があればじゅうぶんでしょう。手すりも邪魔になるので必要ありません。
上画像のスロープ施工例はこちら ⏬
ディーズガーデン物置がある施工例【パーゴラテラスを作った庭工事です】
庭へ続くスロープの施工例 階段とスロープを施工し庭へとつながる通路庭へ上るためにつくったスロープの施工例です。
このスロープは完全に自転車専用で、勾配がきつく幅も狭くなっています。しかし子供が自転車を庭へ置くなら、まったく問題ありません。
庭に物置を設置してその中へしまえば、盗難の心配もなくなります。
上画像のスロープ施工例はこちら ⏬
こだわり板の門まわりエクステリア工事【シックなデザインの施工例です】
6.【後付けDIY】階段をスロープにする方法(簡易的!) 玄関ポーチまでスロープを後付けした写真後付けスロープとは、工事したスロープではなく、取り外しできるスロープのことです。
いろんなタイプが販売されていて、おすすめは以下のようなタイプ。
- 軽いアルミ製
- 折りたたみできる
- 滑り止め加工があるもの
DIYでもかんたんに設置でき、使わないときはしまっておけるのがメリットです。
こんなアイテムに大活躍! 後付けスロープを使おうとしている車いす以下のようなアイテムに使います。
- 車いす
- バイク
- 自転車
- 電動自転車
- 福祉車両への乗り降り
バイクや自転車はタイヤが狭いので、1本の狭いスロープでOK!車いすなら、幅広1本か2本のスロープを使います。
7.【手すり】スロープを作るなら屋外用手すりは必須! 三協アルミの手すり「エトランポ」がある住宅スロープ自転車やバイクだけの上り下りなら、手すりは邪魔なので必要ありません。
それ以外の目的なら、安全のため手すりは設置しましょう!
ここでのポイントは3つ- 手すり付きのL型スロープ
- ウッドデッキスロープに手すり
- 屋外用手すりを工事するヒントとは?
玄関ポーチまでのアプローチに、L型に施工した手すり付きスロープです。
スロープのをつくるコツは、舗装面に滑らない素材を使うこと。ここでは「リンクストーン」という樹脂舗装を使用し、おしゃれな見た目にできるのがメリットです。
このアプローチは駐車場に面していて、そこから車椅子でも楽に上がれるように設計しました。
この手すり付きスロープ施工例はこちら ⏬
タイル貼り門柱の高級外構工事【境界塀は白の塗り壁仕上げにした施工例】
ウッドデッキスロープに手すり 手すりのついたウッドデッキスロープ庭のウッドデッキにスロープをつけた画像です(三協アルミのひとと木)。
玄関から始まったスロープは、庭のウッドデッキまでつながっています。車椅子でもスイスイのぼれる幅に、設計されているのが特徴です。
また、ケガした後のリハビリ用にも使え、距離のあるスロープならいい運動になります。
このウッドデッキのスロープ詳細はこちら ⏬
ウッドデッキの階段で段差解消【後付けステップやスロープでも代用できます】
屋外用手すりを工事するヒントとは?屋外用手すりは安全のために設置した方がよく、将来のことも考え新築時に工事するのがおすすめです。
しかし「おしゃれな屋外手すりってどんな種類?」「DIYできる屋外手すりってあるの?」「玄関ポーチにおすすめの手すりは何?」「屋外の階段につけるおすすめの手すりは?」「置き型の手すりってかんたんに設置できるの?」などとすごく悩むでしょう。
そこで紹介する記事では、手すり工事歴20年のプロが、屋外用手すりのヒントを解説します。手すりが必要な条件や高さも、ちゃんと紹介するつもりです。
屋外用手すりの詳細はこちら ⏬
屋外の玄関手すり工事ヒント12選【外階段への後付けや設置費用も解説!】
まとめ
この記事では、玄関 ⇄ 階段スロープを上手に工事するヒントを紹介しました。いかがだったでしょうか?
狭い玄関や階段じゃなければ、屋外用スロープをつくっておくと生活がしやすくなります。高齢者用なら手すりをつければ安心して歩行でき、勾配が緩やかなら車いすだって楽チンです!
子育て世代なら、ベビーカーや自転車用にスロープがあると便利です。
リフォームすると費用がかかるので、とりあえず後付けスロープならDIYでも簡単ですよ!
すぐ下の関連ページで「屋外用手すりの工事ヒント・外構リフォームの施工例・玄関アプローチ」を解説したページリンクを貼っておきます。
興味のある方はぜひご覧になってください😊
このページを読んだ人はこちらもオススメ!以上、玄関スロープの作り方【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】…という話題でした。
更新:2025年08月15日|公開:2023年02月04日
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