パーキンソン症候群の基礎知識
ぱーきんそんしょうこうぐん パーキンソン症候群 パーキンソン病以外の原因で、パーキンソン病と同じような症状を引き起こす病気の総称。パーキンソン病とは区別される 12人の医師がチェック 132回の改訂 最終更新: 2022.02.21 (斎木 寛・医師) 執筆・監修 医療事典 MEDLEY 編集チーム 医師・薬剤師パーキンソン病以外の原因で、パーキンソン病と似た症状を引き起こす病気のことです。症状は似ていますが、パーキンソン病の治療薬が効きにくいことが多いです。 診断を確定するために、問診・心筋シンチグラフィ・SPECT検査などを行います。原因となった病気に対する治療・リハビリテーションなどが効果的です。手足が震える・表情が乏しくなる・手や足がスムーズに動かなくなる・前のめりになるなどの症状が出た場合は医療機関にかかってください。その際は脳神経内科にかかることをおすすめします。
- パーキンソン病以外の原因で、パーキンソン病と似た症状を引き起こす病気の総称
- パーキンソン病・パーキンソン症候群の症状をパーキンソニズムと言う
- パーキンソニズムがあり、パーキンソン病の診断基準を満たさない場合をパーキンソン症候群と呼ぶ
- パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いは2点
- 原因として薬剤・脳血管障害・神経変性疾患を特定できればパーキンソン症候群と呼ぶ
- パーキンソン病治療薬で改善しなければパーキンソン症候群と呼ぶ
- 薬剤・脳血管障害・神経変性疾患が特定されず、薬で改善する場合をパーキンソン病と呼ぶ
- 主な原因と分類(詳細はそれぞれの疾患を参照)
- 薬剤性パーキンソニズム:薬剤の副作用
- 脳血管性パーキンソニズム:脳血管障害(脳卒中)の後遺症として発症
- 特に小さなラクナ梗塞(脳梗塞の一種)が積み重なって症状がおこる
- 脳血管性認知症とメカニズムは似ている
- 神経変性疾患:多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、レビー小体型認知症など
- 薬剤性パーキンソニズムの原因になりうる薬剤の例(スルピリドが薬剤性パーキンソニズムの原因として最多)
- 抗ドパミン薬
- スルピリド(商品名ドグマチール、アビリットなど)
- 抗精神病薬
- クロルプロマジン(商品名ウインタミン、コントミンなど)
- ハロペリドール(商品名セレネースなど)
- リスペリドン(商品名リスパダールなど)
- 吐き気止め
- メトクロプラミド(商品名プリンペラン、エリーテンなど)
- 降圧薬
- メチルドパ(商品名アルドメットなど)
- レセルピン(商品名アポプロンなど)
- 抗ドパミン薬
- パーキンソン症候群をともなうことがある病気の例
- 脳血管障害
- 脳梗塞
- 脳出血
- 神経変性疾患
- 多系統萎縮症
- 進行性核上性麻痺
- 大脳皮質基底核変性症
- レビー小体型認知症
- ウィルソン病(Wilson病)
- チェディアック・東症候群(Chédiak-Higashi病)
- マシャド・ジョゼフ病(SCA3)
- ハンチントン病(Huntington病)
- プリオン病
- 正常圧水頭症
- カタトニア(緊張病症候群)
- 脳性麻痺
- 頭部外傷
- 脳炎
- 神経梅毒
- ポリオ後遺症
- 副甲状腺機能低下症
- 偽性副甲状腺機能低下症
- マンガン中毒
- 一酸化炭素中毒
- 脳血管障害
- 主な症状はパーキンソン病と同じ
- 運動症状
- 安静時に手足が震える(振戦)
- 筋肉がこわばる(筋強剛、筋固縮)
- 動作が鈍くなる
- すくみ足
- 足が地面にはりついてしまったようになって動けない状態
- 動きはじめや方向転換するときによく起こり、歩きだすまでに時間がかかる
- 姿勢反射障害(バランスをとるために姿勢を反射的に修正する能力の低下)
- 眼球運動障害(特に上下が見づらくなる)
- 自律神経障害の症状
- 起立性低血圧
- 発汗低下
- 精神症状
- レム睡眠行動異常症(睡眠中に異常な行動を取る)
- うつ症状
- 失語
- 認知症
- パーキンソン病は片側の腕や足の震えから症状が起こることが多く、筋肉のこわばりも特徴的である
- 姿勢反射異常やすくみ足から症状が起こる場合は、パーキンソン病以外の病気が疑われる
- パーキンソン症候群を起こす可能性のある薬を飲んでいないか確認することが大切
- CT、MRI検査:パーキンソン病以外の病気がないかを詳しく調べる
- 心筋シンチグラフィ:心筋の血流の状態を調べる
- パーキンソン病やレビー小体型認知症では心筋への血流が落ちる
- SPECT検査:脳の血流や代謝の状態を調べる
- パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺などで異常がでる
パーキンソン症候群の治療法
- 原因となった病気に対する治療を行う
- 薬剤性パーキンソニズムの治療はまず原因の薬剤を中止すること
- 原因薬剤を中止すると治ることが多い
- パーキンソン病の治療薬(レボドパ)が治療に使われることがあるが、パーキンソン病に比べて効かないことが多い
- 特に神経変性疾患が原因の場合、パーキンソン病の治療薬では症状が改善しないことが多い
- 長期間使用していると、効果のある時間が短くなったり(ウェアリングオフ)、手足が勝手に動いてしまう(ジスキネジア)などの症状がでる
- 体の動きが悪くなることが多いので、リハビリテーションも重要
- 歩行訓練
- バランス訓練(転ばないようにする)
- 関節可動域訓練、ストレッチ(関節が硬くならないようにする)
- 筋力トレーニング(運動しなくなって筋力が落ちるのを防ぐ)
- 音楽療法(リズムに合わせると動きがスムーズになることがある)
- 呼吸訓練
- 飲み込みの訓練
- 言葉の訓練
- 生活環境を改善することも大切
- 段差をなくす
- 椅子を高くして座りやすくする
- 手すりを付ける
- 飲み込みにくくなっている場合、症状に応じて食べ物の形態を変える
- 抗コリン作用により、脳内のドパミン作用を強め、パーキンソン病における手足の震えなどの症状を改善する薬
- 脳内の神経伝達物質のアセチルコリンはドパミンと拮抗し合う物質である
- パーキンソン病では脳内のドパミンが不足しているため、アセチルコリンの作用が強くなっている
- 本剤はアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)をあらわす
- 抗精神病薬などによるパーキンソン症候群などに使われる場合がある
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