定年退職後の健康保険はとりあえずコレ!
退職後の健康保険、選択肢は4つ
退職すると、これまで加入していた健康保険から外れることになります。日本は「国民皆保険」――国民すべてが何らかの公的医療保険に加入する制度――ですので、退職後も何らかの公的医療保険に加入しなければいけません。その選択肢には次の4つがあります。- 国民健康保険の被保険者
- 家族の組合健保あるいは協会けんぽ(以下、健康保険)の被扶養者
- 任意継続被保険者
- 特例退職被保険者制度の被保険者
風邪や腰痛などで病院にかかる回数がだんだん増えてきた……。65歳を過ぎると病気だけなくケガも増え、医療費がじりじりと増えていく。公的医療制度の選択はとても重要です! 定年退職後の定年後の健康保険はどれを選べば?
退職前の健康保険加入期間や給与水準、勤続年数、家族構成などによってどの方法がお得かは異なります。そのため、それぞれの加入条件や保険料等を比較する必要があります。4つの制度の仕組みについて、順に解説しましょう。 <定年退職後の健康保険 目次>- 退職後の健康保険、選択肢は4つ
- 1.国民健康保険…前年の所得が算出基準
- 2.家族の健康保険の被扶養者…厳しい条件あり
- 3.任意継続被保険者…継続手続きは退職後20日以内
- 4.特例退職被保険者制度…制度があればラッキー?
- 定年退職後の健康保険、保険料のシミュレーションでで決める!
定年退職後の健康保険(1)国民健康保険……前年の所得が算出基準
国民健康保険は、各市町村と都道府県が共同で運営する健康保険制度です。保険料(税)(以下、保険料)は、(1)医療保険分、(2)後期高齢者支援金分、(3)介護保険分からなっており、年齢によって下記のように負担します。- 40歳未満の人……(1)+(2)
- 40歳~64歳の人……(1)+(2)+(3)
- 65歳~74歳の人……(1)+(2)(介護保険分は年金から天引きになる)
- 4方式:所得割、資産割、均等割、平等割
- 3方式:所得割、均等割、平等割
- 2方式:所得割、均等割
- 4方式:T市26万8900円、I市23万8900円
- 3方式:F市29万7400円、K市28万7560円
- 2方式:Y市27万3260円、M市20万1400円
定年退職後の健康保険(2)家族の健康保険の被扶養者……厳しい条件あり
家族に健康保険に加入している人がいれば、その人の被扶養者になるという道があります。そうすれば、保険料の負担はゼロ! いいですね。健康保険で子どもの扶養家族になるとは考えもしなかった。健康保険の扶養家族になる条件は厳しいが保険料負担がないので家計は楽だ!
しかし、簡単に健康保険の被扶養者にはなれません。健康保険の被扶養者として認定されるには、次の加入条件を満たさなければならないのです。- 年収が130万円未満(対象者が60歳以上、またはおおむね障害厚生年金を受給する程度の障害者の場合は、180万円未満)
- 同居では被保険者の年収の半分未満、別居は被保険者からの援助による収入額より少ないこと
- 健康保険法で定めている被扶養者の範囲内であること
定年退職後の健康保険(3)任意継続被保険者……継続手続きは退職後20日以内
退職前後の慌ただしい時期に公的医療保険のことまで手がまわらない、という人にお奨めするのが「任意継続被保険者」です。これは「退職日の翌日から最長で2年間、退職前の会社の健康保険に継続加入することができる」という制度です。この手続きを行えば、退職後も働いていた時とほぼ同じ保障を健康保険から受けることができます。 任意継続被保険者になる条件は、以下のように比較的緩やかです。- 健康保険の被保険者期間が継続して2カ月以上あること
- 資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に申請手続きをすること
- 北海道 2万9260円
- 福島県 3万1716円
- 東京都 2万7552円
- 神奈川県 2万7972円
- 長野県 2万7188円
- 愛知県 2万7748円
- 大阪府 2万8812円
- 香川県 2万8784円
- 鳥取県 2万7916円
- 福岡県 2万8616円
定年退職後の健康保険(4)特例退職被保険者制度……制度があればラッキー?
特例退職被保険者制度とは、老齢厚生年金の受給権者で健康保険組合に20年(40歳以降は10~15年、健康保険組合によって期間は異なる)以上加入していた人が退職し、後期高齢者医療制度に加入するまでの間、在職中の健康保険に加入できる制度。厚生労働大臣の認可を受けた健康保険組合(特定健康保険組合等)が運営します。 この制度を設けているのは、パナソニック、富士フイルムグループ、東芝、慶應義塾、東京ガス、日立、キリンビール、ホンダ、民間放送、全日本空輸などがあります。巷ではこの制度を利用できる退職者はラッキー、と言われています。 加入手続きは退職後3カ月以内に行います。年金証書が手元に届いていない人は、国民健康保険や任意継続被保険者などにいったん加入し、年金証書が届いた翌日から3カ月以内に手続きをします。いったん加入すると、次の3つの理由以外での脱退はできませんので、注意が必要です。- 本人が死亡
- 再就職して他の健康保険の被保険者になる
- 75歳になり後期高齢者医療制度に加入
- パナソニック 2万5200円
- 三菱UFJ証券グループ 2万3140円
- JAL 2万3520円
- KDDI 3万260円
定年退職後の健康保険、保険料のシミュレーションで決める
一般に、定年退職後1年間は、国民健康保険に加入するより任意継続被保険者を選択するほうが保険料の負担が少ない、といわれます。しかし、退職時期と年収によっては国民健康保険料の方が低額になり、2年目以降も世帯所得によっては、軽減措置によりかなり低額になる可能性があります。前出のA氏の保険料は、下記のように国民健康保険に加入するのが最も安くなりました。 <健康保険制度 翌年度の保険料/翌翌年度の保険料/合計>- 国民健康保険 25万8618円/8万6444円(5割軽減)/34万5062円
- 任意継続被保険者(協会けんぽ) 35万9640円/35万9640円/71万9280円
- 特例退職被保険者制度(日揮) 23万9040円/23万9040円/47万8080円
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