オオミズアオ(成虫・幼虫)
日本語名オオミズアオ(大水青)
学名Actias aliena
大きさ(mm)(開張)80~120mm
時期4~8月
生息地北海道、本州、四国、九州
成虫の食べ物口は退化していて食べない
幼虫の食べ物ウメ、リンゴ、サクラ(バラ科)や、カエデ類(カエデ科)、カバノキ科、クリ(ブナ科)、ミズキ(ミズキ科)など色々な樹木の葉を食べる。
写真ギャラリー
美しい色彩の成虫(滋賀)
葉をかじる幼虫(京都)
トゲというか、毛がやたら長いですね(京都)
光が当たると透けています(京都)
顔は褐色です。
トゲの付け根はオレンジ色。
この肉質感と透明感はなんとも言えない美しさがあります。
ライトトラップにやってきた成虫(滋賀)
顔がかわいい
目次
ヤママユガ科まとめ 山繭蛾図鑑
オオミズアオってどんな蛾?
淡い緑色の羽を持つ美しい鱗翅目(りんしもく)の昆虫です。日本では一般的に蛾の仲間に入るのですが、本物に出会うと蛾が苦手な人でも少し認識が変わるかもしれない魅力があります。
昼間に昆虫採集をしているだけではなかなか出会うことのできない昆虫なので、小さい頃は憧れの昆虫でもありました。
夜行性の昆虫で、月あかりに照らされた姿はとても美しかったのでしょう。英語では「Luna moth(ルナ・モス)」と呼ばれ、月の女神を表しています。
その可愛さ、美しさはゲームのキャラクターにも現れ、ゲームのポケットモンスターでは「モスノウ」という白くかわいいモンスターとして描かれています。
オオミズアオの成虫の可愛い顔幼虫も大きく育ち、不思議な突起を持ったイモムシで、ぷにぷにしていて気持ち悪いと思う人もいるかも知れませんが、とてもかわいいと人気があったりします。
オオミズアオの幼虫。 ヤママユガ科昆虫の分類でチョウ目があり、その中には私達の知る蝶(チョウ)や蛾(ガ)が含まれています。このサイトでは一般的な分け方である蛾(ガ)の仲間を「ガ類」としており、その中に「ヤママユガ科」は含まれています。この仲間は大型の種類が多く「ヤママユ」や「シンジュサン」などが含まれています。
オオミズアオの特徴
成虫黄色(黄緑)っぽいものからミントブルーまでキレイな色彩が特徴的な成虫です。
上から 斜めから 斜めから 羽の前縁の模様は赤と白の鱗粉が混じっています 羽と眼状紋 幼虫緑色で肉感のあるキレイな幼虫ですが、背面が節ごとに隆起する形状や、イソギンチャクのような変わった突起を持っているイモムシです。
終齢幼虫 イソギンチャクのような突起を持ちます。長い毛もはえています。 足の先はよく見るとカギ爪のように発達しています。 腹脚(ふくきゃく) 副客の先にはギザギザがたくさんついています。オオミズアオとオナガミズアオの違い
とても良く似ているので標本で見比べないとわからないかもしれません。いくつかの特徴を上げておきますが、複合的に判断する必要があります。
成虫の比較 成虫の比較ポイントオオミズアオオナガミズアオ羽の形丸みがある尖った印象羽の色黄みがある青みが強い前翅のフチ赤紫とピンク白く見えてもピンクがまじる赤紫と白白い部分が入る触角の色黄色緑がかる後翅の眼状紋楕円形丸くなる オオミズアオの成虫。触角は黄色。羽の前フチには白身があるがピンクが混じっている。羽は丸っこく波打った印象です。後翅の眼状紋はオナガのように丸っこい個体。 成虫の羽の形オナガミズアオのほうが少し尖った印象で、オオミズアオは丸っこい印象になります。オナガは直線的で、オオミズは波打つフチや模様の特徴もあります。
成虫の体の色オナガミズアオの方が体色に青みが強い。オオミズアオは黄みを感じる色です。
成虫の前翅の縁の色どちらも前翅の縁は赤紫色になりますが、その縁の前半分の色はオナガミズアオの方が白い。もしくは、オナガは真っ白な部分が入ります。オオミズアオでは白くなるがピンクっぽい。拡大してみると、白く見えてもピンクの鱗粉が混じっています。
オオミズアオはピンクの鱗粉が多く入ります。 成虫の触角の色オオミズでは赤みを感じる黄色の触角ですが、オナガは緑がかった印象です。
成虫の後翅の眼状紋後ろの羽の丸い模様が、オナガミズアオのほうが丸い。オオミズアオでは楕円形。
幼虫の比較 幼虫の比較ポイントオオミズアオオナガミズアオ幼虫の突起根本が明るい根本が黒い幼虫の顔褐色緑色幼虫の食べ物バラ科、ブナ科など広食性カバノキ科のみ 幼虫の突起オナガミズアオの育った幼虫の突起は根本が黒い。
オオミズアオは突起の根本が明るい 幼虫の顔オナガミズアオの幼虫の顔は体色と同じ緑色。オオミズアオは褐色となります。
オオミズアオの顔は褐色。オナガミズアオは緑色の顔をしています。生態(フェロモン、走光性)
フェロモンで誘惑オオミズアオのメス♀はフェロモンでオスをおびき寄せることが知られています。そのフェロモンを感知するために触角が発達しているので、オスのほうが触角がフサフサで大きいです。
オスのほうが触角がよりふさふさです。メスはもう少しほっそりとした触角を持ちます。 光に集まる走光性オオミズアオは光に向かって飛んでいく習性を持っており、走光性があります。ライトトラップなどにもやってきますし、街頭や夜の建物の明かりにやって来ることもあります。
ライトトラップにやってきたオオミズアオの成虫。飼育はできる?
餌(エサ)や食べ物オオミズアオの成虫は口が退化して何も食べることができません。そっと見守ってあげましょう。
幼虫はサクラやウメなどのバラ科の植物、カエデ類やブナ科の植物など多食性で育てやすいイモムシです。餌を上げる場合は農薬などには気をつけたいですね。
餌を食べる幼虫 花型の糞(ふん)糞の形がまるで花のような形で面白いです。
糞(ふん)オオミズアオの成長(卵、幼虫、繭、成虫)
卵楕円形のまるっこさがあり、まだら模様の入った卵です。
卵 孵化(ふか)卵の中で成長した幼虫は、中からかじるように卵に穴を開けて出てきます。
卵をかじって穴を開けました あけた穴から出てきます 卵の殻は食べずに。出てきたらすぐに動き回ります。 幼虫幼虫はトゲトゲした突起を持っているイモムシですが、毒はありません。触ったことのある人の話では、トゲトゲは意外に固くてちくっとするようです。
オオミズアオの幼虫の顔は褐色をしているので、オナガミズアオと区別できます。突起の目元が黒くならないのも特徴です。
生まれたての幼虫は黒色と黄色っぽい感じで、だんだんとオレンジ色が強くなっていきますが、3齢幼虫くらいまでなるとキレイな緑色の体をした重量感のあるイモムシになって育っていきます。
初齢幼虫 少し大きくなった初齢幼虫 オレンジ色っぽくなりました 初齢幼虫と、一回脱皮した二齢幼虫 二齢幼虫 二齢幼虫 食事で葉を食べる幼虫 中齢幼虫 成長して肉感が増してきました(中齢幼虫/3齢) 中齢幼虫(4齢) 脱皮殻。干からびたのかと思って焦りました。 終齢になるための脱皮準備。茶色い頭部の下に新しい頭部がうっすらと見えています。 終齢幼虫 脱皮したばかりの終齢幼虫。頭部が明るいです。 終齢幼虫 餌を食べて大きくなった終齢幼虫 繭/蛹(サナギ)サナギになる直前の幼虫は、色がオレンジとも茶色とも言えないような色に変わります。一見死んでしまうのかと思うような変化です。
そこからは葉っぱを綴って繭を作り、その中でサナギになります。
オオミズアオの繭 成虫春から初夏にかけて羽化した成虫は、交尾をして卵を産みます。孵化(ふか)した幼虫は2ヶ月くらいかけて成虫になりますが、秋頃に繭を作ったものはそのまま冬を越して、暖かくなってから羽化します。
オオミズアオ オオミズアオ分布や生息地
こんなに美し昆虫ですが、特段珍しい昆虫ではありません。理由としては食草の幅が広く、桜なども食べるので東京などの都会の中でも見られることがあるようです。(さすがに都心とかは無理と思います。)
分布としては北海道から九州までの広い範囲で見ることができますし、緑の多いところなら見られる確率はかなりあがるでしょう。
基本的には夜行性なので、昼間は木や葉にぶら下がって止まっています。灯火などにもやってきますね。
オオミズアオの仲間をもっと見る!
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ヤママユガ科まとめ 山繭蛾図鑑 関連記事(一部広告含む) Luna Moth オオミズアオ ガ トゲイモムシ ヤママユ ルナモス 綺麗な蛾 繭を作る昆虫 美しいイモムシ 美麗種 蛾の仲間この記事を書いた人
村松佳優昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。
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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています! 詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。 TwitterやInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)
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