消化管間質腫瘍(GIST)の基礎知識
しょうかかんかんしつしゅよう 消化管間質腫瘍(GIST) 消化管の粘膜の下にできる腫瘍の一種 7人の医師がチェック 77回の改訂 最終更新: 2022.10.17 (佐藤 達也・医師) 執筆・監修 医療事典 MEDLEY 編集チーム 医師・薬剤師消化管の粘膜の下に腫瘍ができる病気です。日本語の病名よりもGISTという名称がよく使われます。胃に発生することが多く、その他には小腸・大腸・食道などに発生します。小さいものは無症状なことが多いですが、大きくなると吐き気・腹痛、あるいは腫瘍からの出血によりふらつき・下血などの症状がでます。 症状や身体診察をもとに、画像検査・内視鏡検査を行います。GISTが疑われた場合は、腫瘍の一部を採取して顕微鏡検査(病理組織診)で診断します。治療は手術あるいは薬物療法になります。消化管間質腫瘍が心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。
- 消化管の粘膜の下にできる腫瘍(粘膜下腫瘍という)の1つ
- 消化管の粘膜の下にできることが多いが、腸間膜にできることもときどきある
- いわゆる「がん」ではないが、転移することもあるので悪性の腫瘍として扱われる
- 消化管細胞の遺伝子の突然変異が起こり発症する
- 人口10万人に2人の割合で発症
- 50歳代から60歳代に多い
- 胃、小腸、大腸、食道の順に多い
- 胃:70%
- 小腸:20%
- 大腸:5%
- 食道:5%
- 吐き気
- 胸痛、腹痛:腫瘍ができる部位による
- 飲み込みにくさ
- 出血:吐血、下血
- 貧血
- お腹の張りやしこり
- 症状がないこともある
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)、大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査):腫瘍があるかどうか調べる
- 超音波内視鏡検査(EUS):先端にエコー装置がついた内視鏡で腫瘍を観察し、必要に応じて腫瘍に針を刺してその一部を採取する(EUS-FNA)
- 上部、下部消化管造影検査:消化管(胃や腸)全体のなかでの腫瘍の位置を調べる
- CT検査:
- 腫瘍の大きさや胸部・腹部における腫瘍の位置を調べる
- 可能であれば造影CTでGISTに特徴的な造影パターンがみられるか調べることがある
- MRI検査:CT検査と同様に腫瘍の大きさや位置を調べることができることに加え、腫瘍の内部の性状も調べることができる
- 病理組織診:内視鏡検査や一部の腸間膜にある腫瘍などはCTガイド下生検などで、腫瘍の一部を採取して顕微鏡で詳しく調べることで腫瘍がGISTかどうかを最終的に診断できる
消化管間質腫瘍(GIST)の治療法
- GISTの治療の第一選択は、手術で腫瘍を切除すること
- がんの治療と異なり、できるだけ臓器を温存しながら腫瘍を切除する
- GISTと診断されていないそのほかの粘膜下腫瘍でも大きなもの(5cm以上)や増大傾向のものは手術する場合がある
- 転移があり、すべての腫瘍を切除できない場合は、薬物療法を行う。内服の分子標的治療薬(イマチニブ)が有効であることが知られている
- 手術で切除した後、腫瘍の大きさや腫瘍細胞の性質(悪性度)によっては、再発予防のイマチニブ服用を行う場合がある
- イマチニブが効かない場合は、スニチニブ、レゴラフェニブ、ピミテスピブなど他の薬剤も使用できる
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