【オートレース】ホームのファンが待ち望む早川清太郎の大願成就…無冠のプリンスでは終われない~伊勢崎G1シルクカップ
【オートレース】ホームのファンが待ち望む早川清太郎の大願成就…無冠のプリンスでは終われない~伊勢崎G1シルクカップ 2026年1月10日 17時39分スポーツ報知◆第49回シルクカップ(G1、3日目・10日、伊勢崎オートレース場)
アウェーの他場ならばいざ知らず、ここは大切なホームだ。いつだって多くのファンが背を押してくれる地元コースで、そう簡単にやられるわけにはいかない。
準々決勝戦10Rを早川清太郎が快勝した。きっちりスタートを決めて、ただ今業界を席巻し続ける佐藤励の先行アタックを阻止。そのまま、佐藤の前で動き、構える展開を作り上げた。
レース終盤で勢いを増す宿敵は、すぐ後ろで自ら挙動を乱して、マシンと共にコースへと投げ出された。久々に鋭くも豪快なマシン運びを演じる早川の気迫あるパフォーマンスに圧倒され、攻め焦ってミスを招いたと思わせるような快走だった。
「エンジンは2日目よりも乗りやすくなりました。(道中で佐藤と)接触しましたが大丈夫だと思います。練習で確認してみます。ヘッド周りの調整がいい方向へ行っていますね」
2004年に伊勢崎所属、29期生としてデビューした当時から、彼は地元ファンの支持と愛情を一身に浴して、順調にキャリアを積み重ねていった。
ここ伊勢崎には高橋貢という絶対的なシンボリックな存在が君臨するが、ファンの声援は、時にそれすらを上回るほどだった。
早川がコースで華麗に躍動するたびに「行け~!セ~タロ~!」と年齢、性別を問わず、日本一の巨大スタンドからヤンヤ、ヤンヤの歓声がいつも飛び交った。
早川もその期待に応え続けた。夏の伊勢崎名物G1ムーンライトチャンピオンカップは、過去に5度もVを達成した。今大会もこれまで2度制した。いい意味で「地元ではパワー3割アップ」と称えられた。
しかし、タイトル獲得は2022年キューポラ杯以降、縁遠くなっている。
思えばここ何年も青山周平、鈴木圭一郎が『超2強』態勢を構築し続けてきた。その間に、ほんのあと一歩にまで迫ったSG制覇の大望もやや遠のいてしまった。
さらに、令和の時代が深まると、黒川京介や佐藤励といった年齢の離れたネオ世代が怒とうの台頭をみせ、早川が昨年に挙げた1着ゴールは34回にまで停滞した。
昨年11月の日本選手権オートレースでは、何とかV戦エントリーを果たして4着。最後の最後でスーパースター王座決定戦ベスト16に滑り込んだものの、トライアル4戦は7、7、7、6着と何も抵抗できぬまま、不完全燃焼に終始した。
「ヘッド周りを調整したり、パーツも換えましたが良くなってくれませんでした…」とサバサバと潔く大敗を認めて、2025年はあえなく幕を閉じた。
見た目は若いが、7月には44歳になる。青山は今もなお不動のごとく王の座にそびえる。ニュージェネレーションの果てぬ突き上げは、えげつなさを極める。
このままSGタイトルとニアミスしたままで終わってしまうのか。『無冠のプリンス』の看板を降ろすことなく、メインストリームから去っていくのか。
2026年は、早川にとってシビアな一年になるだろう。まさに、正念場である。
ファンだけでなく、早川は選手たちから一目を置かれ、愛される存在でもある。早川が活気に溢れ、元気にコースを疾走すると同期たちの顔もほころぶ。
あの荒尾聡は「自分だってSGはまた勝ちたいですよ。でも、どこかでセータローが初優勝するところを見たい気持ちもすごくあるんです。何とか手が届いて欲しいよね」とエールを惜しまない。
ひたすら己を信じて、時に頑固にこだわりを持ちまくって、作業に面する早川。発想と感性を柔らかに、フレキシブルに立ち回る令和系レーサーの器用さは希薄かもしれない。
でも、古き良き時代の昭和気質の仕事人を思わせる働きっぷり、生き様はそれはそれは格好良くも映る。
このままじゃあ、終われない。終わっちゃいけない。早川清太郎よ、復権あるのみだ。
(淡路 哲雄)
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