日光杉並木の杉材で熟成のウイスキー 老舗地酒蔵元が製造 シングルモルトは20万円超
日光杉並木の杉材で熟成のウイスキー 老舗地酒蔵元が製造 シングルモルトは20万円超2025/7/29 08:00伊沢 利幸- ライフ
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栃木県日光市の日光杉並木の杉材で製作した和樽で熟成させる本格的なウイスキーが今秋にも、発売される。製造するのは県内初のウイスキー蒸留所を稼働させた同県小山市にある地酒の蔵元で、シングルモルトの価格は何と20万円超え。日光杉並木街道の植樹から今年で400年の節目を迎える中、初めて登場するプレミアムウイスキー。その価格とともに香りや味わいにも熱い視線が注がれている。
日本酒造りの伝統
ウイスキーを製造しているのは創業約150年という老舗の地酒蔵元「西堀酒造」。清酒造りを続ける傍ら、令和4年に県内で初めてウイスキー蒸留所を稼働させ、現在ウイスキーのほか、ウオッカも製造している。
ウイスキーの銘柄は「哲/TETSU」。同社でウイスキー部門を担当する西堀和男社長(66)の長男で専務の哲也さん(34)が日本古来の酒造りの精神を映すように「哲学するウイスキーにしたい」と命名した。ちなみに、哲也さんは東大文学部哲学科の卒業。日本酒造りの伝統を生かした真の国産ウイスキー造りを目指したいとの思いを「哲学」に重ねた。
日光杉並木の杉材で熟成させた西堀酒造銘柄「哲」シリーズの「日光東照宮献上ウヰスキー」(西堀酒造提供)日光にこだわったウイスキー造りのきっかけは西堀社長が友人を通して知り合った日光市の男性のひと言だった。「日光はウイスキー造りで世界に誇れるポテンシャルを秘めている」。男性は元教育関係者で定年後に地域の活性化策を考える中で、日光の気候に適したウイスキー造りを模索していた。西堀社長は男性と意気投合。植樹400年を迎える日光杉並木街道を記念してウイスキーを造ろうと「日光ウヰスキーの会」を結成し動き出した。
同会で打ち出したのが日光杉並木の杉を使った和樽での熟成。同杉並木街道は世界一長い並木道として国の特別史跡と特別天然記念物の二重指定を受けているが、倒木しそうな杉は伐採され、杉材として利用できる。この杉を日光東照宮の協力を経て入手。栃木県内でたった1人の栃木市の和樽職人に依頼し、日光杉並木の杉材を使った10本の和樽を完成させた。
特注化粧箱も
和樽の容量は72リットル。ウイスキーは小山市の蒸留所で製造し、オーク樽で約2年半熟成させたウイスキーを昨年12月に杉材の和樽に詰め替え追熟させた。
関係者の間で試飲が行われたが、「杉樽とオーク樽の香りが絡み合い、これまにないフレーバーで甘く華やかな味わいに仕上がった」という。
ウイスキーを担当する西堀酒造専務の西堀哲也さん=栃木県小山市(伊沢利幸撮影)発売するのは「哲/TETSU」シリーズのシングルモルトとシングルブレンデッドの2種類。「日光東照宮献上ウヰスキー」と名付けた。シングルモルトは1本(720ミリリットル入り)28万5千円(税抜き)で400本限定、シングルブレンデッドは1本10万円(同)で600本限定。今年10月の発売予定で現在、予約を含めた販売方法について検討中だという。
専務の哲也さんは「貴重な日光杉並木のご神木を樽のほか、特注化粧箱にも使った特別なウイスキー。単にウイスキーだけではなく文化的、歴史的な要素も含め、まとめて味わってほしい」と話している。
なお、同社では日光市内で新たなウイスキー蒸留所を稼働する予定で準備を進めている。哲也さんは「日光は清らかな水に、冷涼な気候など、ウイスキーの製造、保管熟成に適している」と話し、新たな日光ブランドウイスキー造りにも意欲をみせる。(伊沢利幸)
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