. タイヤ業界の勢力図!ブリヂストンをはじめ国内4社の強み・弱みとは?
タイヤ業界の勢力図!ブリヂストンをはじめ国内4社の強み・弱みとは?
タイヤ業界の勢力図!ブリヂストンをはじめ国内4社の強み・弱みとは?

タイヤ業界の勢力図!ブリヂストンをはじめ国内4社の強み・弱みとは?

こんにちは。きんかぶるーむです。

近年、冬の大雪もあり、車業界のガソリン車からEV車への変化だけではなく、安全面を左右するタイヤの面でも注目されている方は多いのではないでしょうか。

タイヤメーカーも徐々にEV用タイヤへのシフトを開始しています。

車と必ずワンセットでついてくるタイヤ。

今回はタイヤ業界の状況について調査していきたいと思います。

この記事でわかること
  • タイヤ業界のシェアと業界規模
  • 国内タイヤメーカーの事業内容、業績
  • 財務諸表から見える国内タイヤメーカーの強み、弱み

目次
  1. タイヤ業界のシェア率
  2. 国内タイヤメーカーの事業内容比較
    1. ブリヂストン
    2. 住友ゴム
    3. 横浜ゴム
    4. TOYO(トーヨータイヤ)
  3. 国内タイヤメーカーの業績比較
    1. 決算内訳から見えるブリヂストンとTOYOTIREの強み
  4. まとめ

タイヤ業界のシェア率

タイヤ業界の売上高ベースのシェア率は以下の通りとなっています。

タイヤビジネス誌 Global Tire Company Rankingより数値抜粋し作成

企業名 売上高割合(%) ミシュラン 14.8 ブリヂストン 12.5 グッドイヤー 8.4 コンチネンタル 6.8 住友ゴム 4.1 ピレリ 3.6 ハンコック 3.4 中策ゴム 2.6 横浜ゴム 2.2 正新 1.8 トーヨータイヤ 1.7 ジーティータイヤ 1.6 その他 36.6 Total 100

フランスのミシュランを筆頭に、日本国内勢ではブリヂストンや住友ゴム、アメリカのグッドイヤー、イタリアのピレリ、韓国のハンコックなど、名の知れたメーカーで全体の6割程度を占めています。またタイヤ市場の規模としては1987年~2021年までで、40,250百万ドルから177,500百万ドルと4倍程度まで大きくなっています。人口が増え続ける限り、車の数も増え続けると考えられるので、消耗品であるタイヤの市場は今後も拡大を続けていきそうです。

2024年時点で、日本国内のタイヤ市場は約1.254億本で、

2033年には1.454億本に達すると予測されており、年平均成長率は約1.6%と見込まれています。

成長を支える主要因は、以下が挙げられます。環境意識からESG投資に注力する企業も現れています。

  • EV普及に伴う燃費/低騒音タイヤの需要増
  • 交換用タイヤ市場の安定した成長
  • 環境規制への対応
  • R&D投資の活発化

ここでは、国内メーカーの上位4社を取り上げて、事業内容やその業績特徴を比較していきます。

  • ブリヂストン
  • 住友ゴム
  • 横浜ゴム
  • TOYO(トーヨータイヤ)

国内タイヤメーカーの事業内容比較

ブリヂストン

言わずと知れた、ブリッジストーン(石橋)ことブリヂストンです。

ブランドとしては、SUV用のARENZA、高付加価値タイヤのREGNO、低燃費タイヤのECOPIAが有名ですね。

スタッドレスタイヤとしては、BLIZZAK(ブリザック)がよく知られています。事業は大きく以下の3つで構成されています。

  • タイヤ事業
  • ソリューション事業
    • タイヤ/タイヤデータ/モビリティデータを活用し、高付加価値を提供する事業及び新しい価値を提供する事業
  • 多角化事業[化工品、スポーツ用品、自転車用品]

中核事業はタイヤ事業ですが、成長ドライバーとしての位置づけであるソリューション事業、スポーツ用品や自転車用品にも携わっています。

タイヤから得られるデータを利用するソリューション事業を手掛けている点が他社との違いと考えられます。

DXへの取り組みを前面に打ち出しており、タイヤ空気圧や温度をビッグデータ解析し、タイヤの摩耗性能や耐久性能の予測、タイヤのサブスクリプションサービスの提供で適切なタイヤ使用について提案を行うなどしています。

サステナビリティの面ではNTTと協力し、デジタルツイン技術を活用して環境に優しい街づくりを推進していく活動が開始されています。

「E8コミットメント」を掲げ、70%再生・再生可能素材タイヤも手掛けています。

また、宇宙事業で使用される探索機などのタイヤにもブリヂストンが採用されており、この月面移動車用タイヤが「Tire Concept of the Year」を受賞しています。

金属スポーク構造とAirFree技術を活かし極限環境下でも耐久性と柔軟性を確保する特徴があり、技術力としても影響力が大きいです。

住友ゴム

ダンロップ(DUNLOP)商標でタイヤを販売しています。

ブランドとしては、高付加価値タイヤとしてVEURO(ビューロ)、LE MAN V(ルマンファイブ)、低燃費タイヤとしてENASAVE(エナセーブ)が有名です。

スタッドレスタイヤとしては、WINTER MAXX(ウィンターマックス)がよく知られています。

きんかぶくん

2023年10月26日に対外的にアクティブトレッドと呼ばれる技術を搭載したオールシーズンタイヤを2024年秋に発表することが公表されました。

水に触れたり温度が下がったりするとゴムが柔らかくなるような材料を使用して、摩擦性能を増強することでウエット路面でもアイス路面でも高いグリップ力を発揮することが特徴のようです。

新技術の発表は非常にワクワクしますね。

2024年10月にシンクロウェザーを発表しました。

当初40サイズで展開後、22インチまで拡大し100サイズ以上を順次投入予定 となっています。

ダンロップブランドによる次世代オールシーズンタイヤで、高性能と利便性を両立が特徴です。

「アクティブトレッド」技術を搭載しており、路面状況(雨・温度)に応じてゴムの性質が自動で変化する革新的機構になります。

日刊自動車新聞用品大賞2025のグランプリを受賞し、先進性および利便性が評価されているなど、技術力のアピールと評価がなされています。

広告にMLBの大谷翔平を起用するなど、ブランド周知にも力を入れているようです。

事業は以下の3つで構成されており、スポーツ事業としては、ゴルフの松山英樹選手がSRIXON(スリクソン)を使用していることで有名ですね。

  • タイヤ事業
  • スポーツ事業
    • ゴルフ、テニスなど
  • 産業品事業

横浜ゴム

YOKOHAMAの表記でタイヤを販売しています。

最近はCMも多く流し、販売、販促強化しているようですね。

ブランドとしては、高付加価値タイヤとしてADVAN(アドバン)シリーズ、低燃費タイヤとしてBluEarth(ブルーアース)が有名です。

スタッドレスタイヤとしては、ice GUARD(アイスガード)がよく知られています。

事業は以下の2つで構成されています。

  • タイヤ事業
  • MB事業
    • ホース配管、工業資材など

国内モータースポーツ支援も継続予定で、サーキット系の興行にも関与しています。

TOYO(トーヨータイヤ)

サッカー日本代表を応援している様子がHPトップ画面から伺えます。

サムライブルーの印象と会社のカラーが合っていそうですね。

ブランドとしては、SUVタイヤとしてOPEN COUNTRY(オープンカントリー)シリーズ、オールシーズンタイヤとしてCELSIUS(セルシアス)が有名です。

スタッドレスタイヤとしては、DELVEX(デルベックス)がよく知られています。

事業は以下の2つで構成されています。

  • タイヤ事業
  • 自動車部品事業

米国SUV・ライトトラック用交換用タイヤ市場で約40%のシェアを有しており、アメリカ市場では高い影響力を持ちます。

国内タイヤメーカーの業績比較

2021年度の業績とキャッシュフローは以下の通りです。

銘柄名 ブリヂストン 横浜ゴム 住友ゴム工業 TOYOTIRE 銘柄コード 5108 5101 5110 5105

業績実績(単位 : 百万円)

        決算期(月数) 2021/12/1 2021/12/1 2021/12/1 2021/12/1 売上高 3,246,057 670,809 936,039 393,647 営業利益 394,340 83,636 49,169 53,080 経常利益 377,594 85,199 44,765 55,909 当期利益 394,037 65,500 29,470 41,350 自己資本比率 57.50% 53.30% 46.20% 52.70%

キャッシュフロー

(単位 : 百万円)

        決算期(月数) 2021/12 (12か月) 2021/12 (12か月) 2021/12 (12か月) 2021/12 (12か月) 営業キャッシュフロー 281,538 68,303 63,090 34,465 投資キャッシュフロー 131,701 -4,479 -54,023 -37,538 財務キャッシュフロー -379,321 -55,195 -13,332 11,697 現金等 787,542 42,523 75,093 53,592

売上高としては、ブリヂストンが圧倒的に多く、2位の住友ゴムの3倍強あります。

営業利益率としては、住友ゴムが4社の中では低く5%程度、他の3社は10%を超える水準となっています。

現金、現金同等物としてもブリヂストンが圧倒的に多く、余裕のある経営状況であることがわかります。

銘柄名ブリヂストン横浜ゴム住友ゴム工業TOYOTIRE銘柄コード5108510151105105利益率等(2021年度通期)原価率59.40%66.70%72.30%59.10%売上総利益率40.60%33.30%27.70%40.90%販管費率28.90%20.90%22.50%27.40%営業利益率11.60%12.50%5.30%13.50%経常利益率11.60%12.70%4.80%14.20%当期利益率12.10%9.80%3.10%10.50%財務指標流動比率224.00%158.20%179.70%175.00%有利子負債比率30.80%41.50%59.20%46.00%売上債権回転率4.50 回4.22 回4.69 回4.73 回棚卸資産回転率5.15 回4.39 回4.29 回4.86 回国内タイヤメーカー4社の利益率,回転率など

原価率の観点で見ると、営業利益率の低い住友ゴムが最も原価率が高く、材料費や海上輸送費の影響を受けやすい状態であることが推測できます。

有利子負債や固定比率(原価率)も高いため、変動費を借入金で賄っているような印象です。

この一方で、住友ゴムの2022年度の売上高は1兆円を初めて超えそうとの予測が出ていますので、売上の面では知名度を高めそうです。

したがって住友ゴムの今後の戦略としては、営業利益率を高めるために、より高付加価値のタイヤ比率を上げることや、タイヤサイズの選択と販売拠点集中を実施することが挙げられそうです。

また、横浜ゴムについても2022年度は過去最高の売上高となる見込みです。

決算内訳から見えるブリヂストンとTOYOTIREの強み

最後に下の表で海外売上高比率と仕向け先トップの売上額と構成比を示しています。

銘柄名ブリヂストン横浜ゴム住友ゴム工業TOYOTIRE銘柄コード5108510151105105海外売上高比率83.40%64.60%68.00%75.90%仕向け先トップの海外売上高決算期(月数)2021/12 (12か月)2021/12 (12か月)2021/12 (12か月)2021/12 (12か月)セグメント名米国日本日本米国売上高1,518,554 百万円237,686 百万円299,681 百万円204,314 百万円売上構成比46.80%35.40%32.00%51.90%国内タイヤメーカー4社の海外売上比率と仕向け先トップ比較

ブリヂストンとTOYOTIREは売り上げのほぼ半分を米国関連で上げているのが特徴です。

米国はマーケットとしても非常に大きいので、米国で多くのシェアを獲得できる仕組みを作り上げていることが、この2社の強みといえそうです。

TOYOTIREは2022年から新生産設備が稼働しているセルビア工場を中心に、マレーシア工場でグローバル供給ハブ機能を強化しており、売り先を米国に集中させています。

売り先を特化し利益率を底上げする、選択と集中の一例ですね。

ブリヂストンは以下表の通り、世界の各地に数多くのタイヤ製造工場、原材料工場を有しています。(2022年9月1日時点)

  米州 欧州、中近東、アフリカ、ロシア 中国、アジア、太平洋 日本 Total 新品タイヤ工場 15 11 13 10 49 タイヤ関連工場 8 2 5 11 26 原材料工場 5 2 6 2 15 多角化製品工場 6 2 5 11 24 生産拠点数 34 17 29 34 114

このようにブリヂストンの強みは、世界各地にサプライチェーンを設け、供給面でのリスク分散を図るとともに、地産地消を行い、材料費等の変動費影響を低減させていることが考えられます。

外部影響に強い体質を確立し、多額のキャッシュの確保、高い営業利益率を長年実現できていると推測されます。

ブリヂストンでは中長期成長戦略として、グローバルでの競争力強化に向けて、生産拠点の再編が行われているようです。

  • 生産拠点の統合と最適化:
    • タイのランシット工場でのタイヤ生産を終了し、他の拠点に生産を集約。
    • 生産効率を高め、コストを削減。
  • 新興市場へのアクセス強化:
    • 新興市場でのプレゼンスを強化し、成熟市場でのポジションを固める。

まとめ

今回はタイヤ業界について調査してみました。

  • タイヤ売り上げのトップ15には日本タイヤメーカーが4社(ブリヂストン、住友ゴム、横浜ゴム、TOYO TIRE)
  • タイヤ市場は年々増加の傾向にある
  • 国内4社の事業内容は、タイヤ事業がメイン。サブでゴム製品事業もある。スポーツ分野でも知名度が高い。
  • ブリヂストンは世界各地での生産拠点の確保、TOYOは販売拠点の選択と集中で高利益率を実現

EV用のタイヤがメインとなった際にまた記事の方を更新させていただきます。

タイヤ業界全体の売上は上がっていますが、2022年以降、タイヤ価格値上げのニュースもよく見かけますので、普段から車を使っている人には厳しい状況がしばらく続きそうです。

またタイヤ事業は消耗品であり、環境影響も考慮しなければならない事業と考えられますので、各社のSDGsの取り組みにも今後注目ですね。

他業界の動向もこちらからどうぞ。

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それではまた。

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