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新しく購入した広い家で、猫と一緒に暮らすキャリー

「AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章」第3シーズンが、アメリカ時間29日(日本時間30日)から日米同時配信スタートとなる。このシーズンは12話構成で、筆者は6話まで見せてもらった。ただし、この記事にネタバレはないので、安心していただきたい。

 4年前に第1シーズンがデビューした時は、暗すぎる、ポリコレ意識が強すぎるなど、ファンの間でさまざまな不満が聞かれた。第1シーズンは、キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)の夫ミスター・ビッグ(クリス・ノース)が死ぬところから始まり、ミランダ(シンシア・ニクソン)が依存症に直面した上、ナイスガイの夫スティーブ(デビッド・エイゲンバーグ)を捨てて同性愛者として生き始めるという、深刻な人生の変化があって、重くなったのはしかたなかったのかもしれない。さらに、テレビシリーズ初回からずっとキャリーの親友スタンフォードを演じてきたウィリー・ガーソンが現実の世界で亡くなってしまうという悲劇も起きている。だとしても、50代になることのネガティブな部分がやたらと目立ち、「楽しさはどこに行ったのか」とオリジナルのトーンが懐かしくなったものだ。

 そこから前に向かって進み始めたキャリーらを描く第2シーズンでは、だいぶ明るさが取り戻された。エイダン(ジョン・コーベット)が戻ってきてキャリーと復縁すること、また、現実の世界の仲違いのせいでこのシリーズには出なかったキム・キャトラルがサマンサ役としてカメオ出演することも、ファンの大きな関心をつかんだ。シーズンは、エイダンと歩む未来に胸をときめかせていたキャリーが、子持ちのバツイチと付き合うことの現実を見せつけられる形で幕引き。ヴァージニア州に住むエイダンは、問題を抱えている末息子が20歳になるまでは子供のそばにいるとキャリーに告げ、彼女をショックに陥れたのである。

猫のシューはキャリーの大事なルームメイトに

 第3シーズンの最初で、キャリーは、前シーズンの終わりに引っ越してきた家にひとりで住んでいる。エイダンの息子たちも訪ねて来られるようにと考えて購入したその家の大きさは、ことごとく孤独を強調。その空間を埋めてくれるのが、前シーズンでキャリーが飼い始めた猫だ。

 30年も猫を飼ってきた筆者としては、キャリーがシューをもらった経緯には抵抗があった。キャリーは猫を飼うつもりなどなかったのに、勤務先の動物病院に持ち込まれた捨て猫をチェ(今シーズンには登場しないサラ・ラミレス)が勝手に連れてきて、「かわいいでしょ?欲しい?」と聞いたのだ。キャリーは今の状態では飼えないと答えたのだが、結局引き取り、いかにも彼女らしくシュー(靴)と名付けた。結果として良かったにしても、ちょっと無責任である。

 だが、こうやってキャリーのかけがえのないルームメイトになった今となれば、運命の出会いだったと言えるだろう。今シーズンにはキャリーがシューのために猫のツリーハウスを組み立てるシーンもあるし、うっかりシューが外に出てしまって、新しく登場するキャラクターと初めての会話のきっかけが生まれるシーンもある。

50代になってもキャリーのファッションへのこだわりは変わらない

 その人物のほかにも新たなキャラクターが登場するが、そのひとりは、キャリーのご近所さん。彼女がヒールで家の中を歩き回る音がうるさいと苦情を言ってきたこの男性は、有名なイギリスのノンフィクション作家だった。彼についての噂を聞こうと、キャリーはロンドンに住むサマンサにテキストメッセージを送る。サマンサはすぐに返信してくれるが、出てくるのはスマホの画面だけだ。

 そんなふうに、シリーズは、さりげなくサマンサの存在を示し続ける。現実の世界でパーカーとキャトラルの仲が修復不可能だというのは誰もが知るところで、キャトラルがしっかりとこのシーズンに戻ってくることは、もはや考えられない。第2シーズン最終回のカメオ出演も、キャトラルは、パーカー、ニクソン、シャーロット役のクリスティン・デイヴィスらと絶対に顔を合わせないことを条件に引き受けている。

 主要キャラクターのサマンサが出ないことについては、第1シーズン初回で、キャリーがサマンサを自分の広報担当に雇うのをやめたことに怒ったサマンサがロンドンに移住したと説明された。そのシーズンの最後では、サマンサの姿を見せないまま、関係が修復に向かっていることが匂わされ、第2シーズンのカメオにつながった。あのシーンは意味があったし、話題作りとしてもすばらしかったが、同じようなことがまたこのシーズンでもあるかどうかは、かなり疑問だ。

キャリーとエイダンの遠距離恋愛はいかに

 さて、肝心のキャリーとエイダンはというと、遠距離ながら恋愛関係を続けている。だが、今一番大事なのは息子という彼の気持ちを尊重し、キャリーはまめに連絡をするにも躊躇を感じたりする。ある時、キャリーはヴァージニア州のエイダンの家を訪ね、エイダンの息子たちや元妻、元妻の現在の恋人とも時間を過ごすのだが、なおさら状況の複雑さが明らかになるばかりだ。

 エイダンが初登場したオリジナルの「SEX AND THE CITY」では、キャリーがエイダンを振り回し、傷つけた。だが、今は違う。オリジナルからずっと製作と脚本を手がけてきたマイケル・パトリック・キングは、以前にも「エイダンをこのシリーズに連れ戻すと決める上で、またキャリーが彼を傷つける展開にはしないと決めていた」と語っており、まさにその通りになっている。離婚してからも父親としての責任を果たし、子供たちを最大優先するのは、エイダンの人柄を表すもの。そこは彼の魅力でもあるし、父子の愛は何より強いともわかっている。だから、キャリーは、もどかしさを感じつつも、何もできないのだ。

アンソニーと若き詩人の恋人は今も仲良し

 そんな中、幸せで微笑ましい姿を見せてくれるのは、スタンフォードの元夫アンソニー(マリオ・カントーネ)。第2シーズンで出会った、若くハンサムなイタリア人の彼氏とは今も仲良しで、キャリアも上向き。また、過去2シーズンでいろいろあったミランダも、良い方に向かっている感じだ。

 シャーロットは、いつものシャーロット。だが、予想しなかったことも起こる。いや、きっと、この後の6話には、もっと予想しなかったことが用意されているのだろう。長年のファンとしては、ずっと愛してきたこれらのキャラクターに何が起きるのかを、これからも追いかけていきたい。

「AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章」第3シーズンは、今月30日よりU-NEXTで配信。

場面写真:Craig Blankenhorn/Max

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